猫にも宿る無限力

 

我が家に10年間暮らしているおばあちゃん猫の“ニャン”です。

 

生まれて数か月のころから、後足が両方とも動きません。

前足だけで歩いています。

( 10年ほど前の昔話になります )

歩くたびに、後足の甲がこすれて血がにじみます。廊下に赤い筋が付きます。

絆創膏を張っても、包帯を巻いても、嫌がって取ってしまいます。

歩けば治りかけの傷もすぐに血がにじむ。この繰り返しでした。

 

ところが、です。

しばらくして、

「体重移動」

を覚えました。重心を前足の上にくるようにしたのです。

すると、後ろ足を浮き気味にして歩けるのです。

なんだか猫背になってきました。

引きずってはいますが、血がにじむことがなくなってきました。

 

前足だけで結構いろんなことをします。

走る、止まる。止まると同時に、勢いあまって後ろ足が振れて半回転。

網戸をよじ登る。

一段ずつ階段をゆっくり上る。

階段を一気に駆け降りる。

そのとき、勢いあまって、廊下を前足だけで3mほど逆立ちして歩く。

前足が実にたくましくなりました。

 

どうしてもできないのが、高いところに飛び上がること。

たまには外の景色も見たいだろうと、窓に階段を付けました。

ついでに玄関の框にも。

 

足の動かない犬が、車を付けていることがあります。

ある人が、「猫にも車を付けてみたら」と勧めてくれましたが、しませんでした。

それは

『生命の實相』第2巻

に書かれている人物のことを思い出したからです。

石井峰雄氏は6歳のころ電車にひかれて片手片足を失った。義足や松葉杖にも頼らずに、自分の内に潜んでいる『無限の生命力』にのみ頼って歩くことにせられた。

(本文から)

「自分の生命力・・・自己生命を生かしている

無限の力にのみ頼れ

ということであります。

(中略)その結果はどうなったかといいますと、この人は片手片足のままで高跳びができる、水泳ができる、木登りができる、果物むきができる、およそ四肢のある人のできることならなんでも人に劣らずできるようになられたのであります」

 

“ニャン”は自分が不自由だとは少しも思っていないようです。

警戒心が強いのは、とっさの時に逃げることができないからでしょうか。