入試差別はともかく醫師偏在の是正は必要 | 日本國人

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令和元年・紀元2679年10月1日開始。

 讀賣新聞オンライン、”元受験生の女性、医学部不正入試で3大学と和解…大学側謝罪「公正でなかった」”より。 

 ”医学部の不正入試問題で、性別や年齢を理由とした不当な差別で不合格にされたとして、元受験生の女性が東京医科大、昭和大、順天堂大の3大学(いずれも東京)に計約3600万円の損害賠償を求めた訴訟は、東京地裁で和解が成立したことがわかった。原告側の代理人弁護士によると、3大学側が「公正な入試だったとは認めがたい」などとして女性に謝罪し、解決金を支払う内容だという。

 和解は東京医科大と昭和大が3月25日付、順大が4月26日付。和解条項には、公正な入試が行われていれば、女性が合格したり、1次試験を通過したりしていたことを3大学側が認め、再発防止の徹底を図るとする内容も盛り込まれた。

 女性側は謝罪や再発防止の約束を確認できたことから和解に応じたという。3大学は取材に「コメントは差し控える」などと答えた。

 訴状などによると、女性は2018年に3大学を受験し、いずれも不合格だったが、同年8月に東京医科大で女子や浪人回数の多い男子受験生の得点を一律に減点していた問題が発覚。その後、他の大学でも不適切な入試が明らかになった。

 3大学の調査で女性は性別や年齢を理由に不合格にされたことが判明し、女性は19年6月、「不正入試は人生をねじ曲げるもので、精神的苦痛は極めて大きい」として提訴していた。”

 ・・・ということであるが。大學が、性別や年齢で差別すること。これは、問題はない。大學たるもの、その學生に相應しい年齢や性別の者を選別するのは、當然のことである。現に、東京女子醫科大學のごとく、女子しか入學させぬ大學もあれば、醫學部ではないが、防衞大學校のごとく、逆に女子を少數しか入學させぬ上、年齢制限がもうけられている大學校もあるように。

 ただ、東京女子醫科大學、防衞大學校ともに、差別入試を公表している。被告の3大學が、差別入試を公表していなかった、あるいは、差別は一切ありませんなどと言っていたのであれば、非難される餘地もあるかもしれぬが。しかしだからと言って、差別入試は當然ありうべきである以上、裁判で決着をつける、ということは好ましくあるまい。和解という決着は、まあ、落としどころとして妥當であろう。

 いずれにせよ、入試のみにて差別すべきかどうかはともかく、醫師の偏在は、是正されなければならない。醫師不足などと言うが、その本質は、偏在である。女醫先生が増えることは惡いことではないどころか、立派な女醫先生もたくさんいらっしゃるが、一方で、最近のように、救急醫師や外科醫師が足りない現状で、例えば皮膚科や眼科の女医サンが度外れに増えるようなことは、好ましくないのである。

 

紀元二六八二年 令和四年 五月一九日