抑止力として無人潜水空母を建造すべし | 日本國人

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令和元年・紀元2679年10月1日開始。

 大東亞戰爭中、大日本帝國海軍は、伊號四〇〇型という潜水艦を建造し運用していた。これは、潜水空母とも呼ばれ、地球上どこの海にでも潜りながら行き、三機搭載していた爆撃機「晴嵐」にて、地球上どこの沿海でも攻撃できるという、秘密兵器であった。この「晴嵐」は、現在、アメリカ・ワシントンにある、スミソミアン航空博物館に展示してあるが、一見してはとても潜水艦に、それも三機も搭載できるとは思えぬほど大きく立派な水上機である。實際に爆撃を計画していたのは、パナマ運河であった。パナマ運河の閘門を「晴嵐」に登載した爆弾もしくは魚雷にて破壊し、アメリカ艦隊が大西洋から太平洋に移動するさいに、本来ならばパナマ運河を経由して来れるものを、はるか南米喜望峰まで遠回りさせようという計畫だったという。實戰にては、太平洋上のアメリカ艦隊を攻撃しに行く途中で終戰となってしまったのだが。大日本帝國海軍は、この伊號四〇〇型潜水艦を二十隻建造する計畫であった。實際には三隻が終戰までに完成したのみであったが。

 さて、この、世界のどこにも潜りつつ征き、搭載している航空兵器にて攻撃できる潜水艦をつくる、という發想は、現在でも、我が國の國防上、有用と思われる。現在であれば、さらに深く静かに長時間潜れ、搭載機もドローンのように無人化することもできよう。さらに、すこし頑張れば、潜水艦自體も無人化できるかもしれない。

 もし、このような、航続距離が長い無人潜水空母が造れるならば、我が國の國防上、大いなる抑止力となるのではなかろうか。搭載する爆彈等の彈頭には、通常の爆彈ばかりでなく、生物化学兵器や、核廃棄物爆彈を搭載するといいだろう。さらに、数千粁飛ばせるような巡航噴進彈(ミサイル)を搭載すれば、地球上どこでも攻撃できるであろう。

 ともかく、こうした無人潜水空母を二十隻も造っておけば、そしてその存在をそれとなく知らしめておけば、敵にとっては、日本本土を攻撃した場合どこからどのように報復反撃を受けるかわからず、大いなる抑止力となろう。なにしろ、潜水艦は、潜ってしまえば人工衛星からでも見えぬのだ。

 そんなことをするくらいなら、弾道彈搭載原子力潜水艦を造れば?という聲も聞こえてきそうであるが、もちろん、それでもかまわないと思っている。いずれにせよ、可能であれば自律にも人力誘導もできる無人潜水艦とできれば理想的であろう。

 

令和元年・紀元二六七九年 一二月二九日