カルミヤや貴婦人背中反らしつつ
東京都薬草植物園へ行ってきました。
カルミヤや樹下を余生の地としたり
カルミヤやそばかす少し多き人
カルミヤや風を優雅に躱しをり
思ひ出は幼き頃や桜の実
桜の実幼馴染は転校し
桜の実こころに抱くものひとつ
つと思ふ妻との出会ひ桜の実
お互ひに打ち合ひてをり鳴子百合
ふるさとの山河眼裏鳴子百合
鳴子百合裾野を昇りゆく田んぼ
なにもかも風のせいかも鳴子百合
虎の尾草猛きこころのありさうな
虎の尾草天へきりりと立ちをりぬ
吾が前に幻かもと虎の尾草
虎の尾草咆哮ひとつふたつかな
乞食の名付きし十薬美しき
塔のごと八重十薬や法の庭
鉢植ゑとなれる十薬植物園
派手なりぬ乞食どくだみ女形
妖精よ森が棲家の小紫陽花
小紫陽花己が楽器なりにけり
小紫陽花武田の姫の名の峠
小紫陽花風にふくらむひとところ
立浪草風にも飛沫あるやうな
石垣に沿へる山道立浪草
立浪草葉擦れの音の森なりぬ
立浪草風に波打つ木々多し
航海のごとく高みを夏の鳶
眼裏にお花畑や植物園
