『記録的な40.7度、残暑でしたね』・・・
ある死刑囚が、
私に書いて来た手紙の書き出しである。
『僕が今回パクられる3~4日まえ、〇〇君、△△ちゃんと、大阪新世界の寿司屋で寿司をつまみ、話に花が咲く。△△ちゃんとは□□高校でいっしょに下宿したので、気が合って、大阪でも頻繁に会っていたです』
白紙に、ボールペンで書いている。
ほとんど、誤字や文の乱れがない。
この辺りに旅館があった。
母親は駅前で旅館を経営していて、
ハワイ旅行に行くほどに裕福だったが、
彼は、乱暴者で、定員割れの高校にはいり、
卒業後は、
大阪に出て、盗品を売って生計を立てた。
そして、数年にわたって
女性5人を、部屋に連れ込んで、殺した。
府警宛てに、捕まえてみろ、という手紙まで書いた。
上にあるように、つかまる4日前まで
平然と、友達と飲み食いをしていたのだ。
反省の色はまったくない。
死刑囚の独房
『高校野球甲子園・・夏の大会決勝戦・・8回裏の満塁逆転ホームランにはシビレました。丁度テレビ視聴日だったので、野球大好きの僕は独りで興奮。(笑)』
これがぎっしり書かれた3枚目の最初の文。
そのすぐ後に、話題を変えて、彼が詠んだ短歌が出てくる。
『配られしウチワの絵柄いきいきと早瀬に踊る若鮎の群れ』
中学生のとき劣等生だった死刑囚に
こんな短歌が詠めたとは!
・・拘置所には冷房などはない。
ウチワ(団扇)が配られるだけである。
そのウチワの絵を詠んだのだ。
彼は翌春に処刑された。
<今の運勢>
「蹇(けん)」。ネットで買わずに、送料分だけでも儲けさせてやろうと思って、7000円ほどだろうと言いながら、バッテリーを注文した。10日ほどたって、充電しておきましたから18000円いただきます、という電話が来た。高くても10000円はしない。遅いし、新品のバッテリーを注文したので、さほど充電する必要もないはずである。約束と違うと言って断った。弁解しようとする話の途中で、電話を切った。駅前のバイク屋の話である。