数十年前に書かれた自然読本「生態学」の巻頭に、

小野十三郎の「明日」という題の詩が載っている。

 

古い葦は枯れ

新しい芽もわづか。

イソシギは雲のやうに河口の空に群飛し

風は洲に荒れて

春のうしほは濁ってゐる。

枯れみだれた葦の中で

はるかに重工業原をわたる風をきく。

おそらく何かがまちがってゐるのだらう。

すでにそれは想像を絶する。

眼に映るはいたるところ風景のものすごく荒廃したさまだ

光りなく 音響なく

地平をかぎる

強烈な陰影。

鐡やニッケル

ゴム、硫酸、窒素、マグネシウム

それらだ。  

 

四国中央市の大王製紙工場のそばを通るとき、

ああ、かつてここにはきれいな砂浜があった。

人々は地曳網をひいて、

毎朝、近くの村松大師↓にお参りをして、

暮らしていたのに、と思う。

http://ameblo.jp/syunpaturyoku/entry-11203439637.html

 

今、人々は外材のウンコ臭い空気の中で暮らしている。

大王製紙の社長の息子は、

東大まで出ていながら、

シンガポールのカジノで100億円損して、

勝手に子会社に決済させて、話題になった。

彼も、毎日、この空気を吸っているのだろうか。

四国中央市(変な名前!)の工場群。

 

この工場で製造されるティッシュ類は

日本中で使われている。

便利と引き換えに失ったもの・・

それは白砂青松だけでなく、

人々の安全と安心。

 

かつて、工場廃液から

水俣病という悪が生まれ、

さらに、原発によって人間の存在が危ぶまれている。

川内原発の検査を断った九州電力の社長は、

大王製紙の息子と同じく、頭の中身が軽いのではないか。

 

伊方原発では避難訓練が行われ、毎週のように話題になる。

事故を前提としているのだ。

電力会社自身が原発の安全性を信じていないのだ。

それなのに、既成の道を進もうとする。

 

易経に「蹇(けん)」という卦がある。

足がすくんで動けない、まっすぐに進めない卦である。

進めば谷底に落ちる。

ここに来たのは間違いだったと気付いて、

思い切って方向転換しなければならない

 

<近日中の運勢>

眼先の小山を一つ一つ乗り越えなければならない。

自分を鼓舞してしばらくの間努力しよう。

この鼓舞という言葉は、

太鼓をたたいて踊って元気づけるという意味だが、

音楽に励まされる人も多いと思う。

ぜひ・・ただ音楽は好みがあるけれど・・

これは布袋のサーカス・・

https://www.youtube.com/watch?v=4pEj_f4A9O4

ギターの演奏もすばらしい。

人生なんかサーカスさ。

思い切って飛ぼう。

 

私の弟の同級生に

国際原子力会議の議長を務めるほどの、

核融合反応の権威者がいる。

彼は、原発は、

どうやっても危険から逃れられないと、

最近は、もうやめようと説得して回っているらしい。

政治家たち、電力関係者たち、

思い切ってやめよう。
思い切って方向転換すれば、みんな拍手喝采をしてくれる。