オランダ植民地史の演習でお世話になったK先生は、授業中も唯物史観に基づいた理論を展開されていたので、私のような保守的な学生は、お気に召さなかったと思う。
しかし、研究室の人数が少ないので、みんな和気あいあいで、先生の引っ越しのときなどは、全員で手伝いに行ったものである。
K先生は、オランダの大学に留学されることが決まり、そのお別れ会の席上で先生が私に、「手相を見てくれ」と言われた。


オランダのフローニンゲン大学。下の方に自転車がいっぱい。

唯物主義の先生がなぜ手相に関心をもたれるのだろか、と思ったけれど、大学祭で易者をやったりしていたので、ふと興味を持たれたのかも知れない。
よい手相だったが、晩婚で、結婚は40歳を過ぎてから、と申し上げた。
それより、問題があった。
「恐らく留学中に病気になられます。胃潰瘍です。今のうちに医者に行っておいて下さい。」
そう言ったのだが、やはり手相を信じてはおられなかったようだ。
そのまま行かれたのだと思う。
そして、数か月で帰って来られた。
「○○君、君の手相は当たったよ」、と真顔で言われた。
やはり胃潰瘍だった。
猛烈な痛みで病院に運び込まれたらしい。
その後、私が卒業したあと、もう一度、オランダに行かれた。

<近日中の運勢>
人は先に出発したのに自信がなくて出かけない。人がどんどん先に行ってしまうのであせる。みじめさで落ち込みそうになる。気持ちを切り変えて出発すればうまくいく。たとえば、友達は良い就職をしたり良い学校へ行ったりするのに、自分はどこにも行けないなどということが起こるかもしれない。どんな道でもかまわないから進める道を進めばよい。将来はかえってこれが良かったと思う。

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