文字数:1691文字(原稿用紙約4枚強)

 

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吉越浩一郎さんの“必ず「頭角を現す社員」45のルール”の中から気になった箇所をとりあげていますが、今回はその11回目です。

 

 

P82.rule16 結果が出なければ「何もしなかった」のと同じ

 

・1987年から2006年まで19年間増収増益を達成できたが、その秘訣は何もなく、それなりの仲間に恵まれ、やるべき事は全て徹底してやり、成功するまでそれを継続しただけ。

 

・アイデアはその気になればあちこちから見つけられ、その上で肝心なのは徹底的にパクる事で、これを「TTP」と呼んでいるが、やりきる事ができずに中途半端で終われば、それは何もなさなかったのと同意。

 

・「実力のある人」とは、仕事を「単に終わらせる」だけでなく、継続的に「最後までやり抜いてそれなりに結果を出し続けられる人」のことで、多くの小さな失敗を乗り越え、そこからさらに経験し、習い、物事をやり遂げていける人。

 

 

このルールを読んで影響を受けたのは、物事を徹底する事の大切さで、それは吉越さんが仕事の中でデッドラインを設定して、毎日の早朝会議を通して案件毎に詰め切るなど、仕事において一貫して大切にされた事であり、吉越さんの仕事における姿勢の肝となる事かと思います。

 

このルールの中では哲学者である森信三さんの“百円の切符が九十八円で買えないことは、五円で買えないのと同じ。物事は最後の数パーセントで勝敗が決する”という言葉を引用して、物事を徹底して詰め切る事の大切さを説いていらっしゃいますが、この言葉も物事を徹底するとはどういう事かを分かりやすく述べていらっしゃり、物事を詰め切れているかどうかを考える時には、この言葉が自然と浮かぶようになりました。

 

また、徹底的にパクる事については、吉越さんが衣料品チェーンストアであるしまむらの社長を務めた、藤原秀次郎氏に会って話を聞いた際に色々と細かく教えていただいたところ、教えてもなかなかできるものではないから教えたと仰っていたとの事です。

 

藤原氏の言葉には、真似をしてもそれを自分のものにできる人が少ない現実が垣間見えますし、吉越氏に細かく教えた事はやれるものならやってみろという自信の表れにも感じます。

 

この事については、吉越さんが社長を務められていた時のトリンプでの早朝会議も同じで、参考にしたいと言って見学をした人は多かったものの、それを習慣化できた所がほとんどない事にも表れており、中途半端にやっては何事も実を結ばないが故に、真似るにしても徹底しないと意味がないという事なのだと思います。

 

企業秘密とも言うべき早朝会議を見せたのは藤原さんと同じ様な思いで、真似できるものなら真似してみろという思いもあったのではないかと思いますが、それと合わせて伝えたかったのは、真似るならば徹底して真似ないとものにはできず、ひいては何事においても物事を徹底する大切さだったのではないかと思います。

 

人のやっている事や物事を真似るのは一見すると簡単そうですが、それを自分のものにして真似た事を活かしきれる人と言うのは一握りで、真似した事を究めるのも1つの才能や能力だと思います。

 

日本における芸道や芸術の修行における過程を示した言葉に“守破離”という言葉がありますが、これも物事を学ぶ事や徹底して行う事の大切さを表している言葉であり、人に物事を習って自分のものにする時は徹底して真似て、それを土台にして自分に合った新たなスタイルを生み出すというのが王道なのだと思います。

 

 

 

このルールは吉越さんの仕事における姿勢や、吉越さんとはどういう人かを知る上で肝となるもので、吉越さんが1番伝えたい事ではないかと思いますが、このルールを理解する事が本書の他の内容を理解するスタートといってもよく、このルールの理解なくして他のルールを理解しても、それは砂上の楼閣のようなものではないかと思います。

 

“必ず「頭角を現す社員」45のルール”で気になった他の箇所については、次回書きたいと思います。

 

つづく

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。