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三木谷浩史さんの“成功の法則92ヶ条”について、私が気になった箇所をとりあげてきていますが、今回は34回目になります。

 

 

P291.過去の成功例を徹底的に分析せよ。

 

・人間には自己顕示欲があり、それ故に自分のやり方でやろうとするのは自分が正しい事を人に見せつけたいからだが、それでたいていは失敗する。

 

・現代人には自分達が歴史上最も進歩した文明の中にいるという思い上がりがあり、我々が享受している進んだ文明とは全てただ単にそこにあったというに過ぎず、仕組みも構造も知らずに使っているだけの事。

 

・組織でいえばいつの時代でも成功する理由も失敗する理由も大きな違いはなく、文明は変わっても人間の中身は大きく変わっていないという事であり、ちょっと過去を振り返れば壁を乗り越える方法のヒントくらいはいくらでも見つかるので、歴史は試行錯誤の保管所のようなもの。

 

これは法則の90個目として書かれている事で、どちらかといえば古典的で哲学的な法則だと思いますが、この法則に書かれている事は読む前から何となく感じていた事だった事もあって共感できたように思いますが、この法則において共感できたのは人間の本質は昔から変わっていないという事と歴史に学ぶ大切さでした。

 

人間の本質が変わっていないからこそ、人間には自己顕示欲や思い上がりがあり続けるのだと思いますが、それは自分にもあり続けているもので、自分の正しさを証明しようとしたり自分のやり方やこだわりに固執するのは自己顕示欲や思い上がりの表れでもあり、耳が痛い言葉ではあります。

 

何故人間の本質か変わっていないと言えるのかといえば、人は時に1000年以上も前の論語や聖書などに心の拠り所を求めるからであり、いくら技術が発展して豊かになろうとも、人間が直面する悩みや問題の本質は何ら変わらないからこそ、人はいかに生きるかを考え、そのために論語や聖書といった古典の本などは読み継がれているのだと思います。

 

古典の本を読むというのは過去に学ぶという事でもありますが、それは成功や失敗を学ぶ事そのものであり、それを自分の中で咀嚼して解釈して活かす事で、自分の今と未来をよくしようという想い故ではないかと思いますし、人は今と未来をよくするために過去に学び続けようとするのだと思います。

 

学校での歴史の授業は、覚えているか否かを試験の点数で判断する事で成績をつけるためだと思うので大した意味はありませんが、歴史を学ぶ上で大切なのはどんな出来事がいつ起こったかではなく、その中で何が成功に繋がり何が失敗に繋がったかを学ぶ事で、それを未来に活かす事こそが歴史を学ぶ意味であり、歴史を学ぶ事の意味は人生のためでもあると言えます。

 

 

以上、90個目の法則である“過去の成功例を徹底的に分析せよ。”という事について書いてきましたが、三木谷さんはIT技術を駆使した会社を経営されていながら、そのお考えは古風でもあり、物事において大切なものが何かをわきまえ、見た目の派手さや新しさには捉われず、時代や流行りに流されない姿勢やお考えが伝わる法則でもありました。

 

共感できた事が多い反面、その中には人には自己顕示欲や思い上がりがあるという、耳が痛いと思いながら共感した考えもあり、自分にはそうではないと言いながら自分の正しさを証明し続けようとしたり、謙虚なつもりでも思い上がっている事が多いと思うので、自分に対しての見方は人に対しての見方以上に厳しいものであり続ける事で、そういった所が目立たない人間であり続けられればと思います。

 

 

 “成功の法則92ヶ条”の中で気になった箇所の続きは次回書きたいと思いますが、本書については次回が最終回となります。

 

つづく

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。