文字数:2243文字(原稿用紙約5枚半)

 

※  おことわり 今回は長いですのでご了承ください。

 

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三木谷浩史さんの“成功の法則92ヶ条”について、気になった箇所をとりあげていますが、今回は9回目になります。

 

 

P.70 頂上に達するために頂上があるのではなく、登るために頂上がある。

 

→これは17個目の法則である、“常に好奇心と向上心を持つ”の中に書かれている事で、以前ご紹介した、“行動するために考えるのではなく、考えるために行動する”と同じような、目的と手段を逆に考えて発想の転換を促す考えであるように思います。

 

 

頂上に達するために頂上があるのは、多くの人が納得される事ではないかと思いますが、この件で述べているのは、本当に大切なのは目的を達する事ではなく、目的が何であれ歩みを止めない事が大切で、そのために目的があるという事なのだと思います。

 

この法則についての書き出しでは、燃え尽き症候群を例にあげていますが、私も前職を退職して就職の相談をしていた時に、キャリアコンサルタントの方から燃え尽き症候群ではないかと言われた事があるのでその気持ちはわかりますし、目標を見失った人間の弱さは今に至るまで感じ続けています。

 

目標や夢を達する事は大切ですがそれは表面的な事でしかなく、目標や夢はある事そのものに意味があるのであって、それを達する事ができるかどうかは大した意味がないようにも思います。

 

その目標や夢が途方もなく大きすぎて慄いてしまっては意味がありませんが、達する事ができそうで達する事ができないくらいの目標や夢を持ち続ける事で、人は精神に張りをもつ事ができ、自分をコントロールできるだと思います。

 

これは、以前ご紹介した安岡正篤さんの本の中にあった“律する心”という事にも通じる事のように思いますが、三木谷さんは違った視点で安岡さんが仰られているのと同じ事に通じる事を説いているように思います。

 

 

若い時は今以上に心身共に充実していましたから、目標や夢について深く意識しなくても、目の前の事を一生懸命やれば道は拓けていき、その道を歩んでいけば何とかなると思っていました。

 

それは自分に実力と経験が足りないが故で、少しでもできる人になりたいとか、自分を向上させたいという思いがあり、それが目標や夢として無意識に機能していたというのもあったからだと思います。

 

しかし、社会で頑張っても結果を出す事ができず、一方では精神面の自らの問題にも気づき、自分の限界を感じると目標や夢を持つ気力すらなくなり、歩みを進めるのもままならなくなります。

 

人はどこかに向かおうとするから歩けるのであって、向かう場所が分からなければ、歩いていても自分をコントロールする事もままならないのではないかと思いますが、今の私はそんな状態なのだと思います。

 

この件は目標や夢がなぜ必要かを、子供の頃に将来に期待を抱きながら夢や目標をもったのとは違う、現実的な視点で教えてくれたように思いますが、この件に納得がいくのも少なからず経験を重ねて、それと照らし合わせて実感できるからではないかと思います。

 

山登りに例えて登るために頂上があるというのは面白い発想ですが、人生は山登りに例えられる事が多いですから、分かりやすい例えと言えるのかもしれません。

 

 

P.71 人生にも仕事にも完成はない。このくらいでいいと、どこかで諦める事はできる。けれど、完成することは未来永劫あり得ない。

 

→これも同じく17個目の法則である、“常に好奇心と向上心を持つ”の中に書かれている事ですが、全てに完成はないというのは私も仕事を通して感じ続けてはきました。

 

特に私の場合は、前職ではタクシーの運行管理というミスを防ぐ事が求められ続ける仕事でしたので、いくらやっても終わる事はないというのは、ある程度仕事ができるようになってからは実感するようになりました。

 

終わりがない事ではありますが、そこでどれだけ自分で少しでも納得できる仕事ができるかが自分にとっての目標であり、夢でもある事に気がつきました。

 

私が目標にしていたのはミスをしないという事でしたが、それは不可能に等しい事で、できる事は未来永劫あり得ない事です。

 

しかし、その一方でできないからと言って諦めてはならず、それを目指し続ける事で仕事全体のレヴェルを上げる事にも繋がると思っていたので、ミスをゼロにするという不可能に等しい目標をもち続ける事は、仕事全体のレヴェルを高める上で必要な目標だったと言えます。

 

それをミスはあっても仕方ないと最初から思っていれば、ミスに甘くなってミスは増え続けたでしょうから、不可能に等しい目標はできないと思っても目指す事そのものに意味があり、その姿勢が結果として仕事を高いレヴェルにする事に繋がった言えた気がします。

 

仕事にも人生にも完成はあり得ませんが、完成するという事はそこから先はレヴェルが下がったり、堕落する事を意味すると思いますので、完成はしていけないのだと思いますし、完成する必要もないのだと思います、

 

完成する事は目標や夢を見失う事でもありますから、完成せずにそれを追い続けられる方が、人にとっては生きる上では幸せなのではないかと思いますし、人が生き続けるためにも物事は完成しない方がいいのかもしれません。

 

 

“成功の法則92ヶ条”から気になった箇所の続きは次回書きたいと思います。

 

つづく

 

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。