文字数:1831文字(原稿用紙約4枚半)

 

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前回までは松下幸之助さんの“道をひらく”について気になった点を書いていましたが、今回からは稲盛和夫さんの“稲盛和夫の哲学”について、気になった点を書いていきたいと思います。

 

 

 

稲盛さんは京セラの創設者として有名ですが、穏やかな顔をした僧侶のような方で、経営者という感じがしないと思ったものです。

 

 

 

 

ただ、ある時に若かりし頃の孫正義さんが、稲盛さんに自動的に最も安い電話回線に接続できるアダプターを売り込みに行った時に、自分の所にだけ売ってほしいと強気な姿勢を見せたというエピソードを読んで、見た目の穏やかさだけではないものもあるのかなと思わされ、それまでとは印象が変わったように思います。

 

稲盛さんから影響を受けるようになったのは2005年(平成17年)頃からではないかと思いますが、会社の組織を小集団(アメーバ)に分けて、アメーバ毎に採算の最大化を目指すアメーバ経営や、人間性について説く姿勢に興味をもって今に至っています。

 

 

 

その中でも1番影響を受けた考え方は、“動機善なりや 私心なかりしか”という考え方ですが、何か人に働きかけようとする時などは、この言葉を思い出し、自分の損得や目先の欲に捉われていないか、自分を戒めていたように思います。

 

稲盛さんの本は本書よりも“生き方”が有名かと思いますし、私も読みました。

 

ただ、今回この本を紹介させていただくのは、この本が東日本大震災時に仕事用の鞄に入れていた本で、偶然とはいえ東日本大震災の犠牲にならなかった本という事で、他の本とは違う想いがあるためです。

 

なお、東日本大震災当日には他にも、高杉良さんの“青年社長(下)”と、渡邉美樹さんの“使う!論語”の2冊が鞄には入っており、計3冊が東日本大震災を免れました。

 

この本の表紙のカバーは、新卒時に勤めていた会社の傍にあったブックセンターのもので、もう行く事がない所という事もあり、特別な想いがあります。

 

本についての前置きが長くなりましたが、本書の中で気になった箇所をとり挙げていきたいと思います。

 

P32.「あなたは努力され、素晴らしい人格を持つまでに自分を高めましたね」といわれることが人生の価値であると私は思います。つまり、人間性を高めるためにわれわれは現世で生きているのです。

 

→この件には、2010年(平成22年)12月25日に付箋を貼っていますが、この時期の私は東京での生活が上手くいかなくなり地元に帰郷した頃で、何をしたらいいか、何ができるかわからず悶々としていた時期でした。

 

この考え方は何をして働いたらいいかわからない自分には、生活のためを超越して、人間性を高めるという高い次元で考えれば、仕事の選び方や取り組み方も変わるのではと思って心には留めていました。

 

この考え方の大切さは分かりつつも、それよりも仕事ができるかどうかという不安の方が先に立ち続け、仕事への取り組み方を変えるには至りませんでした。

 

ただ、損得で動くと失敗する自分には合う考え方で、これは他の本でも取り上げられてきた一生懸命である事の大切さを、稲盛さんの視点で説いているように思います。

 

P35.お釈迦様は人生を「諸行無常」という言葉で語りました。すべてのものは常ならず。千変万化してつねに新しい変化が訪れる。それ故に「人生は苦なり」といったわけです。

このお釈迦様がいう「苦」とは、先ほども述べたように、失敗や苦難だけでなく成功も含みます。

 

→この件を読む前からも諸行無常という言葉は知ってはいましたが、私がそれを強く感じたのは東日本大震災でした。

 

地震や津波によって、こんなにも見ていた物や生活が変わる事をまざまざとみせつけられましたが、この経験は諸行無常とは何か、平穏な時とて永遠ではない事を教えてくれました。

 

そして、この件で響いたのは成功も苦であるという事で、物事に慎重で疑り深い所がある私には共感できました。

 

成功も苦である事を知ってからは、ちょっと上手くいってもそれは偶然で、満足したり慢心していると、それは失敗に繋がると思うようになり、上手くいったらいったで、より気を引き締めるようにはしました。

 

この件は成功に対しての考え方に影響を与え、私の活き方にも反映されている事の1つです。

 

 

“稲盛和夫の哲学”の中で気になった箇所の続きは、次回書きたいと思います。

 

 

つづく

 

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。