8月末に、私が卒業した神学校の研修会で、岐阜県の飛騨、高山まで三日間行って参りました。今回は連れも一緒です。
二日目に、世界遺産として知られる、白川郷にまで足を運びました。
「合掌造り」と呼ばれる、かやぶき屋根が特徴的な、昔ながらの家屋を維持している素朴で素敵な地域でした。
流れるせせらぎも、透明で、綺麗な川魚が普通に泳いでいる、都会とはまるで別世界の風景を見ることが出来ました。
夏の観光シーズンですから沢山の人もおりましたが、冬になれば日本有数の豪雪地帯です。
合掌造りの家も、豪雪に耐えるため、また、急な角度を持つ特徴的な屋根も雪対策の為であることは明らかです。
家屋の中に入りましたら、ビデオが上映されていました。そこには屋根の葺き替えの状況とか、冬の白川郷が映し出されていました。
そして、なぜ合掌造りの家が豪雪に耐えることが出来るのか、説明がなされていました。
冬の時期、屋根にかかる雪の重さはなんと100トン程だそうです。
自動車100台が屋根の上に置かれたような状態です。
普通の家なら簡単に屋根が潰れてしまいます。
けれど、なぜ潰れないのか、
その秘密は、家と屋根が固定されていないからだと知りました。
勿論、縄でがっちりと繋がっていますが、釘などは使われていません。
勿論、鉄筋や鉄骨はありません。
固定されていないと、自動車のハンドルに遊びがあるように、屋根の柱に遊び部分が出来るのだそうです。
その遊び部分があることによって、雪の重みを分散して受け止め、100トンの雪にも耐えるのだそうです。
この仕組みは、近代建築にも応用されて、高速道路の柱や、大きな橋、ドーム型球場の屋根等にも用いられていると説明がありました。
先人達の優れた知恵と生きていく為の知識によって、白川郷の家屋が産み出されたことを改めて知らされた思いがしています。
「重さに耐えるには、固定されないほうが良い。」
この考え方を、私たちの人生にも応用したいと思います。
私たちの人生には様々な重荷がありますが、その重荷に耐え得る為には、固定された考え方ではなく、柔軟で伸びやかな考え方を学びたいと思います。
どうも、そのような柔らかさが、私たちの人生を健やかにする秘訣のように思います。
皆さん、人生これからです。
「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。」(マタイによる福音書11章28節)
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