大切なあなた……。 Ⅱ
学校に中々行かれない方へのメッセージを書き始めました。
原因が一つじゃない事もあります。
自分でもはっきりわからないまま、学校に行けなくなってしまった、という人もいるでしょう。どうしたら良いのでしょうか?
昔、私はフィリピンという国に行きました。
牧師になる為の勉強で行かせて貰いました。
行ってみて人生観が変わるほどビックリしました。どうしてか。フィリピンの牧師になる大学に行って、大学生の寮に遊びに行ったのです。
その寮はランプの生活でした。そして、彼らの部屋には本が殆どありませんでした。でも、それが普通でした。
しかも、彼らは大学に入ることが出来るエリートでした。牧師になるのに聖書を買うお金も持っていなくて、それが当たり前の生活をしていました。
日本人から見れば、とっても貧しい生活に感じます。
けれど、恐らく、彼らは自分達が貧しく、辛い生活をしているとは感じていなかったと思います。
だって、聖書は学校に備えつけられてあるし、必要な本は図書館に行けば、いくらでも借りられます。
お金なんか、殆ど必要無いのです。
彼らは自分自身にとても自信を持って、卒業したら「自分達の地域に帰って、教会を守るんだ」と説明してくれて、不思議な感動に満たされたことを思い出します。
ちなみに、その学生街の町、結構大きなレストランの最も高いステーキは日本円で350円だったことを覚えています。
でも、当時、私は既に30歳でした。しかも独身でした。学部の歓迎会の時、「日本から来た、30過ぎても、まだ独身の「ヒゲ牧師さん」(当時は学生)です。」と紹介され、皆がゲラゲラ笑いました。なんだか、とっても恥ずかしかったです。
30歳を過ぎて独身なんて、ビックリと思っていたのでしょう。
ともかく、そんな生活をしていると、どんどん自分が、実は、多くの物に縛られていることに気が付きました。
テレビやゲーム、パソコン、携帯電話なんか本当は必要が無いのだと言うことにも気が付きます。
変な親の期待や、社会に振り回されている自分がいることにも、良く気が付きます。
これまで、悩んでいたことがなんだかとっても小さいことであることに気が付きます。
日本とのあまりの違いに、私は帰りの飛行機でなぜか泣いていました。
そして、排気ガス臭い空気の日本へと戻って来ました。暫くはなんだか、日本で行っていることが、やたらとウソ臭い臭いがする~。ってすごく感じていました。
私は、政治の話は実は良く分かりません。
でも、どちらの国も好きなところもあるし、嫌いなところもあります。
どちらも良いところもあるし、悪いところも同じ位あると思っています。
何よりも役に立ったことは、他の場所から自分の国であり、生活の基盤であった日本という国を、「出来るだけ客観的」に見つめられたことだと思っています。
つまり、自分の中で、自分自信を見つめていると、本当の自分に気がつかないということがあるように思うのです。わかりますか?
そんな体験をしながら、後に、カウンセリングの授業で「心の中の自分を励ませる、もう一人の自分」が必要なことを知りました。つまり、自分で自分を励まし、力付け、誉めてあげることの必要性を知りました。
皆さんは携帯電話持っていますか? それって本当に必要ですか?
皆さんはゲームを持っていますか? それって本当に必要ですか?
友だちと仲良しになるのに、携帯やゲームが本当に必要でしょうか?
なんか古臭いオヤジの小言みたいになってきましたが……(‐^▽^‐)。
そして、皆さん「学校って本当に必要ですか?」どう思います?
多分、必要だと思っているから、学校に行けない自分が嫌で、許せないって思っているのではないでしょうか。
前回も書きましたが、私は貧乏で、大学受験する受験費用、国立大学で2万円。そのお金が無くて、受験出来ませんでした。
泣きました。でも、そこで、「親が悪い」、「社会が悪い」って唸っても、何にもなりません。
高校を卒業して、死ぬほど働きました。そして、自力で誰の助けもなく、借金の山をこしらえて進学しました。
勿論、塾など行くお金もありませんでした。でも、進学出来ました。
とっても嬉しかったです。普通に勉強出来るってこんなに嬉しくて楽しいことなんだって思いました。
多分、学校に行けない皆さんは、こんな話しを読んでも、あまりなんとも思わないかもしれません。
だって、辛いと思う感情、というのは、比較出来ないからです。
自分の辛さが一番辛いのです。だから苦しいのです。それは物があるとか、無いという問題ではないかもしれません。
その辛さを分かって欲しい。そう思われているんだろうと思うのです。
でも、今日、伝えたいことは、人は何度でも「やり直しが出来て」、何歳でも、「やり直しが出来て」、そして、道は一つではなく、思ったより沢山あって、やる気があれば、1人でも必死に頑張れるんだということです。
まだまだ、諦めるには早すぎますよ。私が学校を卒業したのは、35歳でした。それまでもがき続けていました。
皆さん、皆さんは、今、何歳ですか……?