一、 三年B組.源八先生 | 鬼獣妖塔 ~破壊という名の創造主~

一、 三年B組.源八先生


             キンコーンカーンコーン、始業のベル。


伊達      「源八つぁん、又遅刻か?」

五十嵐    「だろ?あの人んちの目覚まし時計よ、毎日遅れるって言ってたからな」

伊達      「何で、電池とっかえね―んだ」

五十嵐     「さあな、金がねえんじゃねえの」

伊達      「ボンビーなんだな」

五十嵐     「月給、十五万っていってたしな」

伊達      「悲惨だな」

五十嵐     「俺、教師にだけはゼッテーなんねえぞ」

伊達      「なりたくてもなれねえべ」

五十嵐     「ああ?」

伊達      「デプはなれないんだよ」

五十嵐     「あっそう。(卍字固め―!)」

伊達      「うぎぁ―。ロープロープ… … 」


メグ       「律子、ちょっとコーヒー買ってきてよ」

律子       「でも……、もう先生来ちゃうし……」

メグ       「平気平気、 一時限目源八でしょ。

          あいつ必ず5分遅れてくることにな ってんのよ。あんた転入して間もないからさ、

          知らないだろう。色々教えてあげるよ。ね、だから早く」

律子       「う、うん」

斉藤       「あ、あたしもつきあうよ」

メグ       「いいんだよ。お前は。(圧力)」

斉藤       「…… (言い返せない)」


              戸が開き、さゆり駆け込んでくる。


さゆり      「―いやあごめんごめん。ちょっと目覚ましが……」


五十嵐     「さゆりちゃん、となりとなり」

圭子       「もう、桑原先生ったら、ドジなんだから」

さゆり      「アハ、…自習?」


               戸が開き、源八登場!


源八       「ドッカーン!今日も一日、張り切って行こう―イェーイ。……あ、

          さゆりちゃん」

さゆり      「おはようございます。戸崎先生」

源八       「あっ、お、おはようございます。くっ、桑原先生。すいません、

          教室まちがえちゃって。ハハ……」

メグ        「源八!」

源八       「まちがえて、ない。ってことは……」

さゆり      「と、いうことで戸崎先生も来られましたので、先生はC組二戻ります。
          皆、先生がいないからって騒いでいちゃいけませんよ。受験まで間もないんだから、

          寸暇を惜しんで勉学に励むよう。では、戸崎先生、あとはよろしく」

源八       「どうも」


                さゆり退場。


源八       「と、いうことであとは宜しく」


                爆笑!
                さゆり、戻ってきてひとにらみ。

源八       「さあ、じゃ今日は45ぺ―ジからだったな。牧野、読んでみろ」

牧野       「はい」


                 さゆり、退場。


源八        「行ったか?」

牧野        「はい」

源八        「ふ―う。あいかわらず固いよなあ、さゆりちゃんは」

五十嵐       「あの―先生、質問」

源八         「何だ五十嵐」

五十嵐       「先生もやっばあれ? サユリスト?」

源八         「バ、バカをいうんじゃない。せ、先生は、先生はだな……」

圭子         「あ―、先生赤くなってるよ」

源八         「う、うるさい下瀬、先生はな、先生はただの風邪だ。オホンオホン。
            オラ、風邪うつされたくなかったらおとなしくしろ」

圭子         「生徒脅してどうするの?センセッ、エッチΨ」


                 突然、律子倒れる。

斉藤         「戸崎先生―広沢さんが……」

源八         「(律子の額に手を当て)熱があるな。斉藤、保健室に連れてってくれ」

斉藤         「はい」

伊達         「源八つぁんの風邪うつったんじゃねえの」

源八         「伊達、そういう冗談はよせ」

伊達         「……」

メグ          「ま、いっじゃない。先生、それより早く授業進めてよ。受験生なんだから

             これでも。早稲田落ちたら源八の責任だかんね」

                  斉藤、律子に肩をかして退場。

源八          「はい、それじゃ牧野、読んでくれ」


                  アカリ、FOしながら源八のみスポット。

                  上手花道に別のスポットが当たると、そこにひとりの男。

                  ゼルムが乗り移った人間、藤井達也が立っている。


藤井           「……戸崎源八……。フフ……、さゆりは渡さん。ギッギッ……。

              (消える)」


                   源八も消える。