266 命<誇り
目覚めたとき、私は安堵した。が、また同時に少し寂しさも憶えた。
(この物語はフィクションです)
いわゆるガキ同士の抗争である。俺はまだ17,8。その戦いの中心人物だった。
原因はわからないが、隣町のワル達と決戦を迎えることになったのである。
と、敵が10数人やってきた。が、彼らはどう見ても素人ではない。Vシネマに出てくるようないでたち。
ポン刀を忍ばせている者も・・・。
俺は怯んだ。当たり前だ。
命はたった一つ。戦いに敗れたからといって、”ゾフィ”は命を持ってきてはくれない。
彼らはいったん立ち去った。降伏するかどうか考えろということだ。
仲間の一人にヤクザの跡継ぎがいた。
最終的に俺とそいつで敵の首脳陣を討つと言う手はずでいたのだ。
が、そいつは何も言わず一人歩き出した。
その後ろには、戦いのプロである組員が5,6名いつの間にか集っていた。
これはそもそも俺の喧嘩だ。命は惜しいが、このままでいいのであろうか、葛藤していた。
「○○!ここから先、素人の俺が行っても邪魔になるだけかもしれない。だからお前が決めてくれ。
俺を求めるかどうかを!!」
後は任せろ・・・。ひょっとしたら俺はそんな台詞を期待していたのかもしれない。
「・・・純ちゃん、できれば俺はお前の号令で突っ込みたい。・・・」
他の仲間たちを振り返ることなく俺は、奴の元へ走った。
迷いは吹っ切れていた。
眼前には10数人の敵と5,6本の日本刀。・・・生きて帰れる確立はほぼ皆無。しかし、俺の心は
穏やかだった。恐怖はあったが、迷いは消えていた。
味方の一人に、何故か銀座のママ風の人がいて、彼女はなんと、先陣を切って敵に向かっていった。
そんな光景がまた、勇気をくれる手助けとなった。
途中、落ちていた鞘を俺は手にした。素手よりはマシ、そう思ったのであろう。
そこで目が覚めた。
夢とは荒唐無稽なものである。これが現実世界で私に降りかかることはまずありえない。
それに万が一、現実のものとなった場合、誇りよりも命を選ぶだろう。
しかし夢には、
見ていてこれは夢であると判る物と、判らない物の2種類がある。今日のは後者だった。
結果、夢であってよかった。そしてどうせ夢であるなら今回のような大胆な行動を取れたこと、
それは何よりの満足だった。
女性で共感を持てる人は少ないかもしれない、しかし、これが男という生き物なのだ。
「笑って死ねる人生、それさえあればいい」
━「野性の証明」(戦士の休息)━
http://www.youtube.com/watch?v=lANpNO5ygTU(-_☆)