新型コロナウイルスの影響で、登校できない時間が長くなり、あちこちの教育委員会が「授業動画のようなもの」をインターネットにアップし始めている。
Y市、O市など全国で、動画を公開する動きが見られるので、その内容を確認してみた。
そして、Y市やO市などの公立小学校中学校の先生に匿名・無記名を条件に子供たち212名にアンケートの協力をいただいた。
結論から言うと、教育委員会や学校が公開している授業動画は、子供たちの評判は極めて「悪い」。
自由記述欄の中には、「なにこれ?」「わからん」「本気か」というものから、「給料泥棒」「時間の無駄」「通信料を返してくれ」というものまである。
私も30ほどの動画を拝見したが、確かに、残念としか言えない。本気で子供たちがこの動画を見ると思って作っているのだろうか。
いや、そんなはずはない。授業を何年もやってきた先生方が、この動画を役に立つと考えているはずがない。
動画作成に参加した先生に、お話を聞いてみた。
I町
「周辺の市がやり出して、うちもやらないといけないという話が町長からでてきた。仕方なく協力した。効果が全くのゼロではないと思いたい。一人くらいは役に立つと思う。しかし、制作にかけた労力と成果は全く見合わないはず。」
T市
「こんな動画を作ると、教員のレベルを疑われる。塾に行った方が良いと言われ、学校に来なくなるかもしれない。」
S市
「N○K for School の動画が一番良いだろう。様々な仕掛けが他にも必要。授業は、様々な仕掛けを教員は施して設計する。単に動画を見て、感想を書かせたり、プリントをさせるだけ。というのは、端っから無理がある。」
何のために動画を公開したか、と言われれば、単にマスターベーションにすぎないと思う。
塾の教室を運営している方々に話を聞いたが、「自らYOUTUBEの授業動画を見る子は、放っておいても自分で努力できる。中にはYOUTUBEがきっかけになる子も居るかもしれないが、無駄だと思う。そのことを、現場の先生方はよくわかっている。しかし、そうでない人たちが何かしないといけないと思って、無駄なことをしているんだろう。」
教員の評判を落とすような行為を教員に強要するのは止めてもらいたい。