稿を終へて 訳編者(1) | akazukinのブログ

akazukinのブログ

「日本史のいわゆる「非常時」における「抵抗の精神」とは真理追求の精神、科学的精神に他ならない」野々村一雄(満鉄調査部員)

世界撹乱の律法
ユダヤの『タルムード』

デ・グラッペ著、久保田栄吉訳編
破邪顯正社発行
昭和十六年(1941)十二月十二月
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


稿を終へて

訳編者



私が、浅学菲才(せんがくひさい)を顧みず、既刊の「世界転覆の大陰謀・ユダヤ議定書」に次いで本書を出版し、これを世に問はんとするゆえんは、世界情勢の緊迫化に伴って、わが国にもそのユダヤ禍が犇々(ひしひし)と押寄せていることを座視するに忍びないからである。

ユダヤ人が、数千年の昔からその金科玉條とする幾多の経典の中には、



ユダヤ人のみが神の選民であり、彼等こそは人間としての名称を有するに最も適当であって、非ユダヤ人はただ労働のみする家畜であり、且つユダヤ人の奴隷として神に造られたものである。


神が非ユダヤ人に人間の顔面を与へたのは、ユダヤ人が彼等を奴隷として使役するに、不愉快を感ぜしめないがためである―と教へられた。即ちユダヤ人の使命は、シオンの王座を全世界の上に樹立するにあるといふことが、ユダヤ民族に教示されている。


と教へている。


これを、ユダヤに非らざる者から見れば、実に思ひあがった言葉であり、また狂気の沙汰としか思はれないが、しかも彼等ユダヤ人は真実にこれを信じ、同時にこれを実行しつつある。信ずるものは強く、いはゆる神通力なるものも、自己を信ずることによって発生するものである。


彼等ユダヤ民族から、多くの優秀なる世界的科学者を出し、また現に彼等の従事する職業が科学的分野に勢力を占めている点から見て、ユダヤ民族は、科学万能主義者のやうに考へられているが、事実は他の諸民族に比べて、ヨリ宗教的であり、ヨリ推進的である。即ち、彼等がその経典の教示を絶対に信じ、「神の選民たるユダヤ人」の為すところ、必ず為し得ざるものなしと自負していることが、これを立証してあまりある。



彼等が、非ユダヤ民族を仇敵視し、これを征服せんとするに至った動機は、本書に詳述しているとほり、その祖先が非ユダヤ人、なかんづくキリスト教徒によって残忍なる迫害を受けたことに端を発しているが、キリスト教徒も亦、彼等ユダヤ人を不倶戴天(ふぐたいてん)の仇敵として憎悪し、敵視しているのは、教祖キリストが、ユダヤ人によって磔刑に処せられた怨恨に因るものである。


斯のごとく観じきたれば、誰か烏の雌雄を論ぜんといふことになるが、ここが又狡猾なる彼等ユダヤ人の狙ひどころである。即ち「世界転覆の大陰謀・ユダヤ議定書」の原著者ニールス氏は、



シオン結社の幹部は、他国民に対する自国民の憎悪と敵愾心を激発せんがために「タルムード」の或る規則を非ユダヤ人等に示して、反ユダヤ運動を層一層刺戟(しげき)しつつあった。この反ユダヤ運動は、非ユダヤ人の心に極度の憎悪の念を徴発せしめたが、反面個人の心に、不公平なる迫害を受けつつある民族として、ユダヤ人に対する同情の念を起さしめて、シオン結社を利する者が少なくなかった。この同情こそ、やがて多くの人々をシオン結社に奉仕する者の中に引きずりこんだのである。


と喝破している。


即ち、彼等ユダヤ人は、自己に対する同情を逆用し、却(かえ)ってこれを自家薬籠中(じかやくろうちゅう)のものとなしたのである。その遠謀、その深慮、而してその狡猾、全く戦慄すべきものがある。


(つづく)