先日のこと。

駅の階段でG難度の技を披露した。
着地が悪かったから、メダルはとれなかったけど。

友人と話しながら、階段を降りようとした時、見ていた彼女の横顔が急に真っ暗になった。
友人曰く、急に頭から落ちて行ったらしい。怖い…
その後は、石の階段に最初に叩きつけられて、意識がもどった。
そこから、ゴロゴロゴロ…。
どうやら、落ちる直前、貧血を起こしたらしい。
最近暑さで、夏バテ気味で不眠が続いていたからかな。

起き上がろうとしたら、
足からポタっと赤いものが落ちてきた。
血でした!

実はその前に、「うつつさん、病んでますね。もう少ししっかりしてください」的なメッセージを大切な友人のサムライから遠回しに、それももっと迫力のある静寂さを伴って伝えられていた。

とっさのことに相討ちも出来ないくらいで、訳わからないし、「失礼ね!」とも、何にも言い返せなかった。
ハテナマークを持って向かった駅で起こったこのひとりオリンピックだった。

時期が時期だけにタイムリーではある。

私は、どうやら最近元気がなかったらしい。
でも、私自身もさほど気がついてなかった…。それのほうが重症だったかも。

とりあえず、家に帰っておきたら、打ち身がすごい。
自分にリンチしたみたいだ。

うーむ。これからは受け身もちゃんと学習せねば、などと思った。
しばらくスカートはけません…。

外出してみた。

階段を上がるのも下りるのも、一段づつ。
周囲の人はどんどん追い越していく。
電車の発車のベルが鳴っても走れない。
だから焦るのをやめた。

なるほど、私はこの頃元気がなかった。
と言うより、こんな風に流れていく人についていこうと必死で
自分の大切にしているものが踏みしだかれていくのを、ただ見送るしかなくて
疲れているのに、疲れをとることもせずに
ただ周りに合わせてついていこうとしてた。
そのくせ自分の存在価値がなくなるのが、怖くて余計なことをしようとしてた気がする。
本当はまず疲れをとって、自分のペースで歩き出せば良かっただけだった。

足をひきずりつつ、ぼおっと考えていたら、気がついた。

これは、きっと自分の足で立ちなさいと、言われてるんだな、と。

神様の荒療治かな、と。
それが証拠にこのぐらいの傷で済んでいる。
でなきゃ、父がきっと護ってくれたのだ。

昔から私は4年に一回ぐらいの周期で、こんなふうに「ひとりオリンピック」をやらかす。

それも、毎回やってから気がつくのだ。
心を取り戻すことために、身体を使うたちらしい。

膝は丸く濃い紫色。
それも両足分二つ。
私だけの紫色のメダル。
これから、黒くなってまた肌色に戻る。
きっとそのころには、私は元気だ。



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