この5月から6月にかけては、私を呪縛し続けてきた、一生のうちで一番嫌な思い出の時期。

でも5月の終わりころに体調を崩して倒れていたので、病気を治すことに専念でき、嫌な思い出をすっかり忘れて、その悪夢の時期を通り越した。

今回の病気はしんどかったけど、ある意味私にとって節目となる年にしてくれたような気がする。

人間の脳は不思議だ。たぶん一度見たり聞いたりしたことは、全部脳のどこかにあるのだろう。
でもそのほとんどは、関係のないもの、という場所に保管されて蓄積されていく。
そしてほぼまた脳に浮かんでくることもない。

なにか、自分に特別な想いが生じた時だけ、ちょっと違う場所に保管され、思い出しやすくなるようなしくみらしい。

ましてや、最高に嫌な思い出は、ほんのちょっとした風の匂いや、関係性のある物を見ることですぐリアルに再現され、心を痛めることになる。

私の最高に嫌な思い出は、私を多重人格者にしてしまいそうなところまでいった。
でも、周りの友達、同僚、そして家族が、瀬戸際でそれを食い止めてくれた。
今でも感謝している。

毎年この時期になると、ふと精神状態が不安定になるのでドキドキするが、今年は病気のおかげ(?)で、ふわっと通り過ぎることができた。

来年も、嫌なことを思い出すことなく、緑のいい季節として、楽しむ日々にしたい。