♦恋模様(続き) | *.・・Another Sky・・.*

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「おう」

次の日もいつもと同じ、変わらぬ新の挨拶が聞こえた。

あたしはそれを無視した。

だって見ている。玲奈が見ているんだ。


失いたくない。

揉めたくない。

たとえこの恋が終わったとしても、例え新に嫌われたとしても。


「大川?」

呼ばないで。


「なあ、おい」

肩を掴まれ、無理矢理顔を向けさせられた。


「どうした?そんな顔して?」

話しかけないで。

心配なんて、しないで。


「離して」

肩に置かれた手を振り払い、あたしはうつむいて新に言った。

彼の顔を見ることができない。


あたしの顔も、見てほしくない。

だってあたしは、きっと泣きそうな顔をしているから。


「話しかけてこないで。迷惑だから・・・・」

「は?急になんなの?意味わかんねえ」


聞こえた言葉は、たしかそんな感じだった。

実際のところ、あまりよく覚えていない。


次に見たのは、去っていく新の背中だった。

これでよかったんだよね?


隣の玲奈に目を向けると、満足そうに微笑んでいた。

あたしは、間違っていない。





新に掴まれた肩が痛くて、それを理由に保健室に駆け込んだ。

けれど実際痛かったのは、肩なんかじゃなくて、心だった。


保健室から教室に帰るとき、廊下の隅に陽菜を見つけた。


「陽・・・」

声をかけようとした瞬間、隣に夢ちゃんがいることに気がついた。

足が止まる、躊躇してしてしまったのだ。

離れたところから2人を眺めることしかできないでいる自分が嫌でたまらなくなった。


教室に戻ると、しばらくして陽菜が戻ってきた。


「どこいってたの?」

彼女に聞いてみた。


「別に・・・・」

陽菜は本当のことを言わなかった。

彼女もあたしを疑っているのだろうか。


夢ちゃんが言っていることを、信じているのだろうか。

涙が出そうになった。

鼻がツンとして、世界中でひとりぼっちになったような気持ちになる。


新。

あたしは、新を求めていた。