チャイムが鳴り島田が教室を去ると、新はあたしの髪を両手でくしゃくしゃにしながら笑った。
「お前、ホント頑張ったな」
新だよ。新がいてくれたからだよ。
助けてくれて、大きな勇気をくれた。
「新・・・くんがいたからだよ」
さっきはできた呼び捨てに、なぜか照れてしまって、慌てて“くん”づけをした。
目を見ることができなくて、彼の長い睫毛を見ていた。
「俺は関係ないよ。大川は勇気があるな」
「新くんのほうが勇気ありまくりじゃん」
あたしが笑うと、彼は優しく笑ってくれた。
「俺はただ、お前の手伝いをしただけだよ」
新。
名前を呼ぶだけで胸が締め付けられて。
大川。
同じ名字なことが、こんなにも嬉しいなんて。
青い空が塗りつぶされてく。
雨は、すぐそこ。
♦救世主 【おわり】