遠い太鼓 (講談社文庫)/講談社

¥価格不明
Amazon.co.jp
キンドルで買って読む。たまには日本語の本を。
紙の本と比べて値引きされないんなあと思っていたら、ポイントで30パーセントくらい返ってくるようだ。なんで直接値引きしないのかはわからないが、それなりの事情が出版社にもあるのだろう。
これはエッセイ。特に1886-1889年にかけてギリシャ、イタリアに滞在していた時に書かれたもの。この3年ほどで春樹は『ノルウェーの森』『ダンス・ダンス・ダンス』を書き上げ、帰国するころには一躍時の人となる。ちなみに、フランス語版の著者紹介などでは「日本の封建的社会に辟易し、ヨーロッパに脱出・・・」云々ととても好意的に解釈している。まあほんとのとこは知らないけど。
日本にいると雑事に追われ、とても長い長編に集中できないから、誰も電話をかけてこないギリシャの島やイタリアで過ごした日々。なんだが、そう聞いて想像するようなのどかなものとは相当異なっている。
後半のイタリア紀行になると、イタリアの郵便制度や、マフィアが支配するシチリアとか、ローマの泥棒とか、そういったわりとありきたりな話が多いんだけれども、前半のギリシャは、全然イメージしていたものとは違っていた。
昔は海運で栄えた港町は、時代の変化に取り残されて衰退。海綿取りでかつて栄えた島は、今では島民の大部分がフロリダで海綿をとっている。戦争続きの歴史を歩んだギリシャは、選挙になるととんでもなくうるさくなる。
旅行者でもなく、とはいえ現地の人と特別に親しくなるようなギリシャ語、イタリア語も話さず、常住的旅行者?として放浪した日々に書かれたもの。根無し草として外国を放浪することは、はたから見るよりもずっと面倒で、ローマの半地下の部屋で、地面に置いたランプを前に「日本の家では熱いシャワーが出るのに、なんでこんな惨めな思いを・・・」と嘆く。
インターネット時代以前だから、海外に住むということで恐ろしいほど日本と断絶される。小説を書くために、深い森のなかに一人で入り込むために、選んだ海外放浪で獲得したトラブルの日々。
とても笑える本だ。特に、ジョギングコースに出没する放し飼いの犬に困った春樹が、意を決して犬と決闘するシーンがいい。「犬を追いかけることもやってみると、なかなかおもしろいものだ。」

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紙の本と比べて値引きされないんなあと思っていたら、ポイントで30パーセントくらい返ってくるようだ。なんで直接値引きしないのかはわからないが、それなりの事情が出版社にもあるのだろう。
これはエッセイ。特に1886-1889年にかけてギリシャ、イタリアに滞在していた時に書かれたもの。この3年ほどで春樹は『ノルウェーの森』『ダンス・ダンス・ダンス』を書き上げ、帰国するころには一躍時の人となる。ちなみに、フランス語版の著者紹介などでは「日本の封建的社会に辟易し、ヨーロッパに脱出・・・」云々ととても好意的に解釈している。まあほんとのとこは知らないけど。
日本にいると雑事に追われ、とても長い長編に集中できないから、誰も電話をかけてこないギリシャの島やイタリアで過ごした日々。なんだが、そう聞いて想像するようなのどかなものとは相当異なっている。
後半のイタリア紀行になると、イタリアの郵便制度や、マフィアが支配するシチリアとか、ローマの泥棒とか、そういったわりとありきたりな話が多いんだけれども、前半のギリシャは、全然イメージしていたものとは違っていた。
昔は海運で栄えた港町は、時代の変化に取り残されて衰退。海綿取りでかつて栄えた島は、今では島民の大部分がフロリダで海綿をとっている。戦争続きの歴史を歩んだギリシャは、選挙になるととんでもなくうるさくなる。
旅行者でもなく、とはいえ現地の人と特別に親しくなるようなギリシャ語、イタリア語も話さず、常住的旅行者?として放浪した日々に書かれたもの。根無し草として外国を放浪することは、はたから見るよりもずっと面倒で、ローマの半地下の部屋で、地面に置いたランプを前に「日本の家では熱いシャワーが出るのに、なんでこんな惨めな思いを・・・」と嘆く。
インターネット時代以前だから、海外に住むということで恐ろしいほど日本と断絶される。小説を書くために、深い森のなかに一人で入り込むために、選んだ海外放浪で獲得したトラブルの日々。
とても笑える本だ。特に、ジョギングコースに出没する放し飼いの犬に困った春樹が、意を決して犬と決闘するシーンがいい。「犬を追いかけることもやってみると、なかなかおもしろいものだ。」