上野の東京都美術館で開催中の ブリューゲル「バベルの塔」展 に友人と出かけてきました。
旧約聖書の 「バベルの塔」の物語は、人間の高慢に対する教訓として知られています。
人々が一つの言葉を話しているためにそのような企てが可能になったと考えた神は、人々の言葉を混乱させ、互いの言葉を理解できないようにしてしまう。意志の疎通ができなくなった人々は散り散りになり、ついに塔は完成しなかった。」
ブリューゲル以前にも、多くの画家がこの旧約聖書の有名な逸話に挑戦しましたが、当時はもちろん高層ビルなどなく、巨大な建築物も少なかった時代に 「天まで届く塔」 をイメージすることは簡単ではなかった筈です。
薄暗い入り口に期待が高まります。
会場内に入ると先ず目に入るのが、大きな木像4体。
四大ラテン教父と呼ばれる聖人たちだそうで、1460年頃の作品。
1470年頃から活躍した南北ネーデルランド(現オランダ、ベルギー)の画家たちによる宗教画が続きます。
そして奇想の画家 ヒエロニムス・ボス
悪魔のクリエーターとも呼ばれ、バベルの塔を書いた ピーテル・ブリューゲル1世 や後世の芸術家たちに大きな影響を与えました。
全く古さを感じさせない奇怪でシュールな絵です。
バベルの塔だけがクローズアップされた展覧会かと思いきや、この絵が描かれるまでの歴史やネーデルランドの画家たちの画法の変革や版画の技術革新、CGによる塔の復元映像等盛りだくさんの内容で、頭痛がするほどでした。
「バベルの塔」のサイズはたった 59.9cm×74.6cm
塔の周囲には建設に携わる人々などがゴマ粒ほどの大きさで約1400の人間が書き込まれています。
芸大の学生が模写を作製していましたが、数倍の大きさに描いてもものすごく細密な画でした。
美術館内の Cafe Art で バベルの塔展コラボメニューのワッフルとウインナー珈琲で一休み。