母は常に最悪のリスクを考えて行動する傾向があります。何か起きてもパニックにならないために。

そんな母にとって今回の抗がん剤治療は一か八かのリスクの塊だったこともあり、猛烈に怖がり、数日の入院を希望し、先生は認めてくださいました。

その入院一週間前に胃カメラ検査がありました。受診日は必ず私か弟が付き添うのですが、その日は検査だけだからと母ひとりで行くことになりました。

その夜母から電話があり「パクリタキセルの代わりにTS-1とかいう臨床試験薬を勧められたけど、病院の実験台になるみたいで嫌だから断ったっムキー」と言いました。

やるのは私じゃないし、珍しく怒ってるし、ここは母の気持ちに寄り添うことにしました。

なのでこの時はTS-1がどういうものか調べることもしませんでした。