原発不明がんの母がお世話になったのは、TS-1とカルボプラチン。TS-1は臨床試験薬です。今もそうなのかはわかりませんが、2016年9月の時点ではそういう説明でした。
当初はTC療法と呼ばれる、カルボプラチンとパクリタキセルでいく予定でした。静脈注射から点滴で入れる治療で、アレルギーや吐き気予防から始まって、トータル約6時間ほどかかり、通院で出来るようです。
手術はリスクと生活の質を考えて選択しませんでした。腫瘍があまりにも大きすぎて肺を囲む胸壁を押しやっており、筋肉のみならず骨の切除、さらに皮膚移植を伴うと言われたからです。幸い遠隔転移はありませんでした。
まずは抗がん剤でたたいて小さくすることにしました。
さて、どの抗がん剤でいくか。原発突き止め作戦が始まりました。結果!
「原発巣が分かりません。原発不明がんです。」
へっ❓分からないがん❓原発不明がん❓
そんな名前のがんがあるんだーと私達が呆気に取られていると、続けて先生は「見切り発車ですが、カルボプラチンとパクリタキセルの併用でいきたいと思います。手探りで進むしかありません。」ときっぱり言いました。
み、みきりはっしゃて、てさぐり
でもやることにしました。
みるみる大きくなるコブを横目に「不明」のまま何の治療も出来ずに毎日ずっと不安でいました。変な話それが今はっきり「不明」と分かり、それに対して何か出来ることが不思議に嬉しくもありました。