トム・クルーズ
渡辺謙
真田広之
小雪
監督 エドワード・ズウィック
南北戦争の英雄ネイサン・オールグレン(トム・クルーズ)は酒に溺れる日々を送っていた。かつて戦った数々の戦闘も、今では取るに足りない出来事のように思える。アンティータムとゲティスバーグで、名誉と国のために命を賭けた。
良心の呵責に悩まされたオールグレンは、トラウマとなった戦場での体験から逃れるように、ウイスキー浸りの生活に陥る。
そんな中、日本の実業家にして大臣の大村(演:原田眞人)はバグリー大佐を介し、お雇い外国人として「戦場の英雄」を軍隊の教授職として雇いに来た。その頃の日本は明治維新が成り、近代国家建設のために急速な近代的軍備の増強が必須であった。大金のオファーに魅せられたオールグレンは、僚友ガントとともに日本に行き、軍隊の訓練を指揮する。
やがて、不平士族の領袖である勝元(演:渡辺謙)が鉄道を襲ったという報が入った。まだ訓練は出来ておらず、この軍隊では闘えないと抵抗するも、やむなく出動するオールグレン。案の定、隊の練度は低く、サムライたちの勢いに呑まれた部隊はバラバラになり、ガントは落命、オールグレンは勝元らに捕えられる。しかし勝元は彼を殺さず、妹のたか(演:小雪)に手当てをさせる。回復してきて村を歩き回り、古きよき日本の人たちの生活の風景を目の当たりにする中で、オールグレンは彼ら反乱軍=サムライたちの精神世界に魅せられるようになる。そして勝元もまた、オールグレンにどこか不思議な魅力を感じ始めていた。
渡辺謙をはじめ真田広之の演技は素晴らしかった![]()
主役トム・クルーズが食われる典型的な映画。
「勝元」役を演じた渡辺謙が、ゴールデングローブ賞・ならびにアカデミー助演男優賞にノミネートされた。
監督のエドワード・ズウィックは、日本の歴史や日本人固有の感情の流れを研究してると痛感しました。
今迄の日本を描いた映画と言えば、
『パール・ハーバー』(2001年)は、あくまでアメリカ側から描いた真珠湾攻撃の物語だから、ある程度割引しなければならないとしても、日本海軍の中枢部の描き方はそりゃひどかった。何せ、プールにミニチュアの軍艦を浮かべて、尊皇攘夷の旗やのぼりをたてて、屋外で会議を開いていたのだから・・・。
また『シン・レッド・ライン』(1999年)での日本軍のあまりもぶざまな姿も見ていられないものだった。しかしこの『ラスト・サムライ』は、そういう抵抗感や違和感は少ない。もっとも明治天皇が軽すぎる存在だった思うけど・・![]()
アメリカ公開時はR指定(17歳以上対象)となっている(日本では全年齢指定)





