立ち上がり、指先までピンと張って、両腕を前に伸ばそう。

上下、左右に降ってみる。

頭の上から大きく回して脇に下ろす。

片足ずつ、できるだけ遠くまで蹴り出して、つま先で地面に半円を描く。

ヘディングするか、唇や舌で何かに触れる感じで首をいっぱいに伸ばし、頭を回して前後左右に倒してみる。

身体を取り巻く、腕が届く範囲のこの目に見えない空間体積を、神経科学者たちはペリパーソナル・スペースワールド(身体近接空間)と読んでいるが、これはあなたの一部である。


あたなの一部というのは、メタファーではなく、最近発見された生理学的事実だ。

脳は特殊なマッピング手法によって、この空間を四肢や胴体に追加する。

おぼろげに感じられるもう一枚の皮膚のように、空間をすっぽり見にまとうのでる。


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しかも、この追加されたペリパーソナル・スペースはオーラのようなもので、ちっとも静止していない。伸縮自在だ。

これが目的に応じてアメーバのごとく拡大、収縮するからこそ、あなたは自分の世界を思いのままに操れる。


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あなたが車を運転するときもパーソナル・スペースは広がって、フロント・フェンダーからリヤ・フェンダーまで、左のドアから右のドアまで、タイヤから屋根まで、車ごと丸ごと取り込んでしまう。

だから運転中は、サンダル履きで歩いているように道路の質感を感じ取る。
天井の低いガレージに車を入れようとすれば、車の屋根が自分の頭皮のように思えて、高さ制限ぎりぎりだと"感じる"ことができる。車の障害物の下をくぐるとき、無意識に頭をひょいとかがめてしまうのはそのためだ。


ナイフとフォークを使って食事するときは、その周囲にまでペリパーソナル・スペースが拡大する。
普通は指先までの空間しか表象しない脳細胞が、無機質な金属に触れているだけなのに、切り分けている食べ物の質感や形を指で直接味わえる理由はここにある。


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てな本を読んでます
photo:01



心と身体がどのように絡み合って感情のある身体化されて自己を創出するのか




うーむ、自分がちょっとした動きをするごとに考えてしまう、

ホムンクルス(小人)のことを。


奥が深い、深いよーー