忌の日の明神様 | みくらいふ。~御蔵島・イルカの棲む海~

みくらいふ。~御蔵島・イルカの棲む海~

2010年春、御蔵島に移住。第五惣栄丸・第3三人海丸にて海ガイド中。

『 今日は神様が海を渡るから、絶対に海を見るなよ。

  もし見ちまったら、目がつぶれるぞ 』



毎年、冬。

1月25日。


御蔵の島っ子たちは、こんなことを言われ、

大人に脅かされていたそうです。



その理由は、

御蔵島に伝わる恐ろしい神様、

忌の日の明神(きのひのみょうじん)様。


忌の日の明神さまとは、とても恐ろしい神様で、

その姿を見てしまうと、災いが起きるそう。


そして、

油の匂いのしない家を見つけると、

履いている鉄下駄で、トイレの戸ドアを蹴飛ばして壊していくそうです。


なぜ、「トイレの戸」なのかは不明。



この神様、いつも御蔵にいるわけではありません。


1月20日からの5日間のみ御蔵島に滞在し、

神津島へ向けて港から、北へと出発します。



なんでも、神津島に伊豆諸島の神様たちが集まって、

会議が行われるんだとか。


ちなみに、神津島は「神(様が)集(どう)島」から「神津島」と名付けられたそうです。



■忌の日の明神さまの通る道


みくらいふ。-忌の日の明神さま

まず降り立つのは、

稲根神社本殿の沖にある3つの根のうち

「みな根」と呼ばれる根。


そして、1月20日には、

稲根神社の北西にあるアカイ川までやってきます。


1月21日にはテガキド、

1月22日にはおばんの尾、

1月23日には鳥の尾、

1月24日にはウタヅ川。


そして、24日夜から25日の朝方にかけて里の中を通り、

25日の朝、ようやく海へと渡っていくそうな。



■村での風習




1月20日、明神さまが御蔵へと降り立ってからは、

明神さまのいる区域から南側(稲根神社寄り)

の山へは入れません。


たとえば、

21日は「テガキド」手前まで、

23日は「鳥の尾」手前までしか行かないようにします。



実際、この明神さまの時期に山仕事をして、

事故が起こったこともしばしば。


それからはその業者さんも、

この時期だけは山仕事をお休みしているようです。




といっても、今では、

「ウタヅ川」(保育園近くの橋)より向こうに住宅があるので、

『入るな』というのも無理な話。




要するに、

 たまには休みなさい 

ということのようです。



御蔵の人たちは、

仕事が休みとなれば、

家の修復

大工仕事

山仕事

畑仕事

釣り

干物作り

と大忙し。


半分は趣味かもしれませんが、忙しく動き回っています。



この時期だけは、

家族のんびり、家でゆっくりと、

揚げたお餅を食べる。


こう考えると、

恐ろしい忌の日の明神さまも、

待ち遠しく思っていたようです。



参考文書:

「御蔵島の社会と民族(増補)」

著:栗本惣吉

編:栗本力・栗本大器

西田書店


取り扱いは、

民宿 丁屋さん、

御蔵島港の船客待合所(4月~10月)、

竹芝桟橋の東京愛らんど、など
※在庫に関しては各店へお問い合わせください。



さてここで、疑問。

後日、調べてきますのでメモ↓


???疑問???


いつもは、明神様はどこにいる?

稲根神社には寄る?

稲根神社の神様は?

稲根神社との神様との相性は?

伊豆諸島の神様?が集まる会議?

御蔵の代表が明神様?

赤いタスキ?

赤い帆の船?