駆逐艦が発見した艦船に対して、ミサイル艇がまだ自身のレーダーでその艦を発見してなくても、駆逐艦のレーダーの情報を元に対艦ミサイルを発射出来るみたいな感じですか?
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データリンクと言うのは簡単に言えばネットワークです。艦船や航空機をネットワークでつないで情報を交換すること。
イメージとしてはパソコンのネットワークと同じです。駆逐艦が探知した情報、敵艦の位置、距離などの情報を駆逐艦の戦闘指揮システムのコンピュータに入力し、データリンクで送るとミサイル艇のコンピュータにも同じ情報が表示され、その情報を元に対艦ミサイルに情報を入力して発射する。
ただ問題となるのはタイムラグです。駆逐艦が探知してから情報を送ってミサイルを発射するまで当然、時間差がある。その時間の間に当然、敵艦の位置は移動している。しかし艦船の場合、動く速度が遅いので情報交換する時間くらいではそんなに動かない。
しかし航空機や襲ってくる対艦ミサイルとなると事情は異なります。駆逐艦が探知した情報を他の艦船に送る間に音速のミサイルは何キロも移動してしまい、送った情報は役に立たなくなる。そのため古いデータリンクに代わりリンク16という伝送速度の速いデータリンクが開発されますがそれでも音速のミサイルには対応できず、従来の戦術データリンクでは高速で移動するミサイルや航空機には対応できないため、ミサイルを撃つのなら自艦のレーダで捕捉しないと迎撃できませんでした。
そこでアメリカ海軍が導入しているのがCEC(共同交戦能力)です。
CECとは簡単に言えばネットワークの速度をさらに向上させ、ほとんどリアルタイムで共有できるようにする。駆逐艦が探知した情報が瞬時に他の艦でも見ることができるようにする。こうすれば駆逐艦のレーダを使い、他の艦の発射した対空ミサイルを誘導することが出来る。
ただそのためにはDDSという高い通信速度のデータリンクアンテナとその情報を処理する高速コンピュータが必要でアメリカ海軍でも最近ようやく導入が進んできたばかり。日本のイージス艦にもまだ導入されていません。
※CEC https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E5%90%8C%E4%BA%A4%E6%88%A6%...
アメリカはCECを発展させたNIFC-CA(ニフカ)と呼ばれる防空システムも開発中で、これは艦船だけでなくE-2Dといった早期警戒機やF-35戦闘機などともリアルタイムでリンクすることで、イージス艦の発射した対空ミサイルを早期警戒機や戦闘機が誘導して命中させることを目指したもの。
※http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/507400...
まだ実験段階ですが、最近イージス艦のミサイルをF-35が誘導して巡航ミサイルを破壊する実験に成功したとのことです。
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/507755...
このようにデータリンクはどんどん進化しており、できることもどんどん広がっています。