Google で「白杖」と検索すると
「見えてる」と
サジェストが出ることに気が付きました。
しかも、けっこう上位に。
視覚障害者にとって
なくてはらない白杖。
全盲のひとだけでなく、
弱視のひとや
それに準ずる低視力のひと、
視界が狭くなる「視野狭窄」や
「視野欠損」のひとにとっても
安全のために欠かせないものです。
弱視や、低視力の場合
まったく見えないわけではなく
ぼんやりとは見えているわけですが…
歩行者や自転車の存在に
接近するまで、まったく気づけないことも多いです。
周囲の景色と同化してしまうのです。
「動いているんだから、わかるでしょ??」
と、思われるかもしれませんが
解像度の著しく低い、ぼんやりした世界だと
本当にわからないのです。
とくに、黒やグレー系の服装は
かなり直前になるまでわかりません。
(夕暮れどき〜夜には、さらに見えなくなります)
白っぽい服装なら見えやすいかというと
意外とそうでもなく
建物の外壁やシャッターに同化してしまい
これまた、存在に気づくのが遅れてしまいがちです。
* * *
視野狭窄や視野欠損も
視力そのものは正常でも、
視界が狭まることで
周囲は格段に「見えなく」なり
道路歩行の際にはヒヤヒヤの連続です。
この感覚は
経験したことのないひとにとっては
理解しにくいかもしれません。
上記以外にも
さまざまな視覚障害があり
「明るい場所で見えにくくなる」
「暗い場所で見えにくくなる」
「ものが二重に見える」
「ものが歪んで見える」
「色の見分けがつかない」
などなど、症状は多岐にわたります。
* * *
このように
「見えている」けれども
「見えにくい」状態を
ロービジョン と言います。
WHO(世界保健機関)では
よい方の眼の矯正視力で
0.05以上、0.3未満 を
「ロービジョン」と定義しています。
*矯正視力とは、メガネやコンタクトレンズを
装着した状態での視力のこと。
ロービジョンのひとは
視覚障害者全体の7〜8割ほど
といわれています。
白杖を持っているひとが
たとえばスマホを見ていたり
周囲を眺めるようなしぐさをしていたとしても
決して、障害を偽装しているわけではない
ということは理解してほしい
と、強く思いました。