ブリュッセル・フォーラムに参加しています | 大野もとひろオフィシャルブログ Powered by Ameba

ブリュッセル・フォーラムに参加しています

ブリュッセルで開催されているブリュッセル・フォーラムに参加しています。

このフォーラムはマーシャル・プランのお礼としてドイツが最初に提供した資金をファンド化し、これを米国の組織が運営をして米欧対話として開始されたもので、ヨーロッパ、米国を中心として各国から元首や大臣、さらには人権運動家や官僚、学者等300名余が参加して、朝8時15分のセッションを皮切りに、21時45分のセッションまでぎっしりのスケジュールの中で、民主主義から経済、テロ、軍事・安全保障等、多岐にわたる議論を行うものです。小生も昨日はすべてのセッションに参加し、挙手をしてもなかなか発言できない中で、マリ情勢に関するセッションでトゥワレグ族への対処に関する意見の表明と質問を行いました。

多くのセッションがオフレコなので、詳細は書けませんが、オープニング・セッション「Fragility of the Global System」で提起された問題意識を下記の通り、取りまとめて記しておきます。

『2050年に向けてアジアにパワーシフトが起きることは必須である。気候変動、パンデミック、財政危機等についても、中国やインドを抜きには語れなくなっている。世界規模の集団的行動がこれまでになく必要である。そのためには、制度化された正当な枠組みと戦略的な連帯が同時に必要とされている。いわゆる西側の人口は世界の25%以下であるが、軍事費は60%、GDPは50%以上、大学100傑で見たソフト・パワーは80%以上を占めており、西側の重要性はいまだに大きい。未来を見据えて国際秩序を確立するために西側が仕事を成し得る最後のチャンスかもしれない。EU、米、日は世界のGDPの半分以上を占めているが、中国、インド、ブラジル、南アフリカ等を巻き込んでいかないと何もできない時代が来るので、システム構築の役割を果たしていくべきである。』

日本の将来における役割を改めて考えさせられるものでした。日本でも、例えば「トモダチ基金」のようなものを設立して、知的対話と長期的な戦略について議論するフォーラムができるといいなと強く感じました。麻生政権末期の経済対策で拠出された4兆3千億の基金は、会計検査院の調べによると約2兆円が使われずに残っていますが、今回の補正も基金化されたものが多く、使い切らないのではないかとの懸念もあります。政治家は足元の票ばかり見る傾向が強いようですが、将来の世代を見据えた税金の使い方も考えるべきで、知的な交流と日本の方向に向けた基金を検討すべきではないかと思っています。