この美術館は、6月にフィレンツェを訪れた際に時間がなく行きそびれた美術館で、今回ようやく念願が叶いました。
パラティーナ美術館はピッティ宮殿内にあり、
パラティーナとは「大公夫人の宮中」と言う意味があるそうで、
コジモ1世がトスカーナ地方を治めて以降、
正式にトスカーナ大公と呼ばれてから歴代のトスカーナ大公たちが
芸術品を収集し大公夫人に捧げたことから、
パラティーナと呼ばれるようになったようです。
写真はピッティ宮殿です。
ピッティ宮殿内には、現在このパラティーナ美術館の他に
イタリア印象派と呼ばれるマッキア派の絵画作品を中心に展示している
近代美術館、陶器博物館、銀器博物館、衣装博物館、馬車博物館、
コンティーニ記念博物館があり、ボーボリ庭園も含め内容が濃い宮殿です。
ピッティ宮殿と呼ばれるのは、ルネサンス期に金融で財をなし富豪となったルーカ・ピッティが宮殿の建設に着手したことに由来します。
この宮殿の初期設計は、花の聖母大聖堂サンタ・マリア・デル・フィオーレの クーポラ(円蓋)を手掛けた万能の天才フィリッポ・ブルネッレスキだと伝えられています。
サンタ・マリア・デル・フィオーレのクーポラ(円蓋)を見上げる
フィリッポ・ブルネッレスキ
後世、この宮殿をコジモ1世が妻のエレオノーラのために買い取り改築し、
現在のウフィッツィ美術館側からヴァザーリに命じてアルノ川に架かる
ポンテ・ヴェッキオに回廊を設けさせ宮殿と結んでいます。
画面左奥のウフィッツィからポンテ・ヴェッキオ(上段)を通りピッティ宮殿に通じるヴァザーリの回廊
ウフィッツィはオフィスの語源で、コジモ1世はピッティ宮からポンテ・ヴェッキオの
回廊を通りウフィッツィで執務にあたったそうで、
歴代のトスカーナ大公たちも同様にピッティ宮を住居として使用しています。
パラティーナ美術館は、歴代の大公たちが収集した膨大な量の芸術品が
ありますが、今回は夫が好きな人間味溢れる画家ラファエッロの聖母子と
フィリッポ・リッピの聖母子中心に鑑賞してきました。
miyukiさん今回は、恋に落ちた画家と言うタイトルで絵画鑑賞をしましょうか、先ずは聖母子の画家と呼ばれるラファエッロから鑑賞しましょう。
ルネサンスを代表する画家ラファエッロは、当時としては珍しく母親の母乳で育てられ乳幼児期を通じ両親の愛情いっぱいに受けて育ちます。
ラファエッロは、8歳で母親をそして11 歳で父親と死別します。
しかし、彼は持って生まれた性格から誰からも好かれ、気難しいレオナルドやミケランジェロでさえも彼には気を許しています。
当然、女性からも好かれたでしょう、イケメンで優しく雰囲気が優雅な画家ですからね。
モナ・リザのポーズをまねたマッダレーナ・ドーニの肖像

ラファエッロの才能は、レオナルドやミケランジェロから学び取り、
彼独自の作風を開花させ名声をほしいままにし、
レオナルドとミケランジェロに並ぶ画家となります。
後年、ミケランジェロは「ラファエッロの芸術的な知識はすべて俺から学んだ」
とこぼしていたそうです。
ラファエッロがフィレンツェでの修行時代に描いた『グランドゥーカの聖母』。
この作品は、18世紀にトスカーナ大公フェルディナンド3世が購入し、
いつも手元に置いていたので『大公の聖母』と呼ばれています。
ラファエッロがマルガリータと恋に落ち自らが自身のために恋人を描いたとされる 、
『ラ・ヴェラータ』
恋人マルガリータをモデルに聖母マリアを描いたと言われる
トンド(円形画)形式の『小椅子の聖母』
小椅子の聖母は、聖母子の画家と呼ばれるラファエッロの作品の中で、
宗教的な表現を避けて慈愛に満ちた、若々しく美しい人間味のある女性として描かれており、優しい眼差しと微笑みが印象的な作品です。
通常は、聖母マリアを描く時は、聖なる色とされる藍色を使用しているのですが、小椅子の聖母は当時流行していた服も描いているので人間味のある
作品です。
推測ですが、愛する女性をモデルにより美しく描いたと思います。
ここの美術館にはもう一つ、修道士の身でありながら修道女と駆け落ちをして子供を儲けた画家フィリッポ・リッピの『聖母子とマリア誕生の物語』の絵画があります。
『聖母子とマリア誕生の物語』フィリッポ・リッピ作
フィリッポ・リッピの画家としての才能を高く評価していたメディチ家の繁栄を築いたコジモ・デ・メディチの取り計らいにより、フィリッポ・リッピと修道女のルクレツィア・ブーティはローマ教皇から還俗を許され正式な夫婦となります。
フィリッポ・リッピも、先に訪れたブランカッチ礼拝堂にあるマサッチョから影響を受けた画家で、彼が描く聖母像は甘美な優しさが特徴とされています。
フィリッポ・リッピ作『聖母子とマリア誕生の物語』は、
妻のルクレツィアを聖母子マリアのモデルにし、
息子のフィリピーノ・リッピをイエスのモデルとして描いています。
当たり前ですが、ブランカッチ礼拝堂の壁画は宗教絵画ですが、
ラファエッロの『小椅子の聖母』と
フィリッポ・リッピの『聖母子とマリア誕生の物語』は、
最愛の女性を描き優しさと人間味溢れる作品なので大好きな作品です。
ハネムーンで、最愛のmiyukiさんとこれらの作品を鑑賞しようと決めていたんですよ。
フィレンツェには、これから度々訪れることになるので、
次回は画家の秘められた恋テーマに絵画鑑賞をしましょうか?
続く。
夫婦の旅ブログとして書き始めて明日、11月1日で1周年になります。
私たちが見て感じた事は勿論ですけれど、テーマを決め書いていきますので
どうぞ、これからも夫婦の旅ブログをお読みくださいませ。
そして、温かく見守ってくださいますようお願い致します。
Espresso&miyuki






