妊娠8週3日。
あんなに救われていた
フルーツとコンビニのおにぎりが、急にダメになった。
昨日までの味方が、今日は敵になる。
つわりは本当に気まぐれだ。
代わりに今の私を救っているのは
デカフェのカフェラテと、ハード系のパン。
そして私は典型的な「食べづわり」になった。
食べていないと気持ち悪い。
でも食べたいものは限られている。
何か口に入れている間だけ、世界が静かになる。
昨日は、どうしても冷麺が食べたかった。
冷たくて、酸っぱくて、
あの透明なスープが喉を通れば
きっとこの気持ち悪さが整う気がした。
お店を探して歩いたけれど、どこも満席。
やっと入れたサムギョプサル屋さん。
でもまさかの、
「今日は冷麺の仕入れがなくて…」
その一言で、世界が崩れた。
席に通されたあと、
やっぱりやめます、と言った。
そのお店は現金のみで、
夫はすでにATMへ向かっていた。
現金を握って戻ってきた夫が、
店の前に立ち尽くす私を見て
「え?!どした?!」
と目を丸くする。
事情を説明しても、
イライラもせず、
ただ「じゃあ次探そう」と言ってくれた。
あの瞬間、私は冷麺よりも
夫に救われたのかもしれない。
最後に電話した焼肉屋さん。
「席あります。冷麺もあります。」
その一言で、私は小走りになった。
席に着くと、夫がモバイルオーダーを開き
「何にしよっかな〜」と呑気に選んでいる。
私は必死で言った。
「先に冷麺だけ頼んで!お願い!
冷麺食べられればおさまるから!」
冷麺が来るまでの時間が永遠みたいだった。
スープをひと口飲んだ瞬間、
体が「これだ」と言った。
もちろん、お肉はひと口も食べられなかった。
あんなに狂ったように求めていた冷麺なのに、
今日はもう、全く食べたいと思わない。
つわりは本当に、波そのものだ。
そして今日はこれから、3回目の心拍確認。
無事なら、ついにクリニック卒業。
この1週間、
熱が出て、咳が止まらなくて、
何度も腹圧をかけてしまった。
「咳 腹圧 妊娠」
検索履歴が、不安の証みたいに並んでいる。
夫にも「大丈夫かなぁ」と言われて、
私も何度もお腹に手を当てた。
でも今、思う。
あの冷麺を必死に求めたのも、
食べている間だけ落ち着いたのも、
全部、この小さな命が
ちゃんと生きている証拠なのかもしれない。
どうか、どうか無事でありますように。
今日、画面の中で
また力強く動いていますように。
そしてもし無事だったら、
私はきっと泣く。
安心で。
感謝で。
ここまで一緒に来てくれた、この小さな心臓に。