「つわりは病気じゃない」と父に言われた話。

安定期に入って、つわりも少し落ち着いたGW。
久しぶりに父とごはんを食べに行った。

妊娠してから会うのは初めてだった。

安産のお守りまで買ってくれていて、なんだかそれだけで嬉しかった。

ごはんを食べながら、

「つわり大変だった〜」
「最近やっと少し落ち着いてきた!」

なんて話していたら、父がふと、

「でもさ、つわりは病気じゃないからね。
その先には、子どもっていう幸せな未来が待ってるでしょ。
もっと妊婦生活を楽しまなきゃ」

と言った。

その瞬間、正直、

“いやいや、何言ってるの!?”

って思った。

父だからまだ笑って聞けたけど、
もし全くの他人に言われていたら、たぶん私はブチギレていたと思う。

つわりで何も食べられなくて、
起き上がるのもしんどくて、
毎日「今日は少しマシかな」を繰り返して。

やっとつわりが終わったと思ったら、
今度は息切れ、動悸、疲労感、肌荒れ。

妊娠って、想像以上に“身体を使うこと”だった。

だから最初は、父の言葉に少し反発した。

でも、父がこう言った理由を考えた時、
私ははっとした。

父は2年前、ステージ4の癌を宣告された。

そこからずっと抗がん剤治療を続けてきた。

「完治するのか」
「このまま悪化するのか」

未来なんて、誰にも分からない状態だったと思う。

それでも父は、いつ会っても明るかった。

会社を人に任せるようになってからできた時間で、YouTubeを始めたり、趣味を楽しんだり。

むしろ病気になる前より、少し肩の力が抜けて、人生を楽しんでいるようにも見えた。

そんな父だからこそ、
妊娠してから少し元気のない私を見て、

「辛い時期の先に幸せが待ってるなら、もっと楽しんでほしい」

って、本気で思ったんだろうなと思った。

その時、父の言葉の意味が、やっとわかった。

もちろん、つわりは辛かった。
今も身体は思うように動かない。
だけどこれは、“我が子に会うための時間”なんだ。
幸せになるための過程なんだ。
そう思ったら、少しだけ見える景色が変わった。

人生の中で、妊娠期間って長いようで本当に一瞬なのかもしれない。
こんな経験、あと一度できるかどうかもわからない。
だから残りの妊婦生活は、
しんどさばかりに目を向けるんじゃなくて、
「今しかない時間」
として、大切に過ごしてみたいと思う。

最初に「つわりは病気じゃない」と言われた時は、怒りそうになった。
でも今は、「教えてくれてありがとう」って、素直に思っている。
妊婦生活、残り5ヶ月。めいっぱい楽しむぞ。