🎬 その後の2人のその後
≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣
体がブルっ、と震えて
意識を揺り起こされた。
視界に映ったのは天井。
リビングの・・・天井。
あれ・・・
どうして・・・
「・・・あっ!」
ぐるっと巡った頭の中に
愛しい人の顔が浮かんだ。
「っ!そうだっ」
・・・二宮さんっ!
ぼーっとした頭に
昨夜の記憶が甦る。
そうなんだよっ
オレの家にっ、いまっ
二宮さんが居るんだっ
「・・・いるよな?」
言葉にしたら
急激に不安に襲われた。
誘ったら来てくれて・・・
いや、そもそも
誘えた事さえ奇跡に近い。
何でだっけ・・・
・・・ああ・・・
左利き談義・・・
そんな事で・・・
いや、でも・・・
考えれば考えるほど
もしも今までの全部
オレの夢だとしたら?
そんな風に思えてしまう。
「・・・・・」
立ち上がって部屋を見渡した。
壁の時計を見ると、9時5分。
テーブルの上には昨夜の残骸。
アルコールの匂いも残ってる。
そして、その中に・・・
あの人の甘い香り・・・
部屋の中をゆっくり歩いて
オレは寝室へと向かった。
「・・・っ・・・///」
やっぱり夢じゃなかった。
オレのベッドで寝てる。
あの・・・二宮さんが。
「・・・はぁ・・・
・・・この人は・・・」
寝顔もキレイなんだな。
伏せられたまつ毛・・・
緩く結ばれてる唇・・・
カーテンの隙間から射し込む
朝日に光る白い頬も何もかも。
「ズルいんだよな」
どこまでオレを魅了すれば
気が済むんですかアナタは。
オレはそっと彼の傍に寄り
その顔をじっ、と見つめた。
そして、
「ねぇ、やっぱり
オレは悪くないですよ」
そうこぼして苦笑いした。
なんだか
開き直った気がする。
好きなものは好きなんだ。
一体それの何が悪いんだ。
「・・・・・」
オレは、彼の唇に
自分の唇で触れた。
彼の唇は冷たくて
昨夜とは全く違う。
「・・・二宮さん」
起きてもらいたくて、
いつも通りに
彼の名前を呼んだ。
その時ふと
その呼び方を考えて、
"二宮さん"
そう呼ぶのは普通だけど
それじゃあ嫌だと思った。
「・・・先輩・・・」
もっと近い存在になりたい。
アナタとの距離を縮めたい。
唐突だけどそう思ったんだ。
「・・・先輩?
朝です・・・起きて?」
"先輩"
この呼び方はオレにとって、
苗字を「さん付け」で呼ぶより
とても「しっくり」と、きた。
「ん・・・え・・・
今・・・何時・・・?」
肩を揺らしてみたら
彼は目を擦りながら
上体だけ起き上がる。
そんな仕草も可愛い。
「もうすぐ9時ですよ」
「え・・・まだ9時?」
「もう9時、です。
朝飯オレ作りますから」
「勘弁してよぉ。
もうちょっと寝かせて」
そう言って布団を被る彼。
甘えてもらえてるようで
オレの顔もにやけてくる。
「ダメですよ。
時間がもったいないし。
・・・起きないなら、
強引に起こしますよ?」
オレは布団の中に
片腕を突っ込んで
二宮さんの身体を
めちゃくちゃに擽った。
「わっ、ちょっとっ、
どこ触ってっ・・・!」
「早く起きてください。
オレの手が暴走しても
・・・知りませんよ?」
「わっ、分かったっ
分かったからヤメてっ
擽ったいっつーのっw」
二宮さんは笑いながら
布団をバサッと捲って
ベッドから飛び下りた。
「・・・じゃあ、
待ってます・・・先輩」
オレはそんな彼に
にっこりと笑った。
最高に幸せだと思えた。
・・・そんな朝だった。
~おまけの朝~
