本日、笠岡市議会本会議にて以下の項目の一般質問をしました。

1.キャリア教育充実による人材育成について
2.通級による指導について
3.行政並びに市内の情報発信について

その中で、「通級」について記したいと思います。

 まず、通級とはどういった指導教室なのかということですが、小・中学校の通常の学級に在籍する軽度の障害がある児童生徒に対して、各教科等の授業は通常の学級で行いつつ、障害に応じた特別の指導を「通級指導教室」といった特別の場で行う特別支援教育の一つの形態であります。

「通級による指導」は、障害による学習上又は生活上の困難の改善・克服を目的とした指導が児童生徒のニーズに応じて受けられる上に、通常の学級における授業においてもその指導の効果が発揮されることにつながると期待されています。

 

 「障害」といっても、情緒・自閉症・学習・ADHDほか様々で、比較的軽い子どもたちが対象ですが、就学の基準は明確ではありません。それぞれの子どもさんの状況や保護者との相談などにより決まります。軽度ですので、私としては障がいという概念ではなく、通常学級で普通に学ぶために敷居を低くする教室と考えており、そのような教室を増やすことを含め、指導体制を充実してほしいとの要望の意味での一般質問でした。

 

 中央小学校に設置されている笠岡市通級指導教室の案内によると、「自分から進んで話そうとしない・人とのかかわりを持とうとしない」、「集団の中で一緒に活動するのが苦手」、「友達とのコミュニケーションがうまくとりにくい」、「落ち着きがなく、学習に集中できにくい」などのお子さんが指導を受けたり、保護者の方が相談に訪れたりできるようです。

 

 文科省が公表している,通級、(通常の学級に在籍していながら個別的な特別支援教育を受けることの出来る制度)による指導を受けている児童生徒数の推移によると,平成18年度の41,448人から平成29年度には108,946人に増加しています。岡山県においても第3次岡山県特別支援教育推進プランによると,通級指導教室在籍児童数が平成19年度の1,017人から平成29年度には2,022人に増加しています。


 この傾向からすると、笠岡市内でも対象児童数は増加傾向にあると推察するわけですが、笠岡市においては、小学校1校に設置されているのみで、就学するには児童を小学校に送っていかねばなりません。中学校には設置されておらず、保護者の方々は進学の際に不安をかかえておられます。

 

 設置の際、国においては法改正され、対象児童13人(改正前は16.5人)につき教員1人を配置できることとなりましたが、笠岡市規模の自治体で少人数学校が多く場所が離れている場合、教員配置などが困難な場合もありますが、教育委員会は概ね前向きに通級指導体制の充実に向けて考えておられていますので、子どもたちのために前進させていただきたいと思いました。


以下、主な質問に対する答弁です。今後についてのみ記載します。
私の記憶とメモからですので、詳しくは録画中継や議事録がアップされましたら、ご確認いただければ幸いです。

 

Q,中学校への設置は?
A,自閉・情緒のニーズ把握をし、ニーズがあれば県教育委員会に強く要望。一つの中学校に設置するか担当教員が生徒の学校へ出向くか、良い方策を前向きに検討。

 

Q,通級指導教室を拠点とした地域のセンター的役割の充実については?

A,大変有効、県教育委員会と連携して前向きに検討

 

Q,特別支援学校・特別支援学級との連携は?

A,現在、西備支援学校から専門的な指導や助言をいただいている。各学校では、特別支援教育コーデイネーターを中心に、担任とも情報共有をし、連携を図っている。

 

Q,幼・保・小・中、さらには、設置が制度化された高校との接続は?

A,小学校入学時に特別支援教育連絡会を開催。中学校入学時に小中教員が情報共有。近隣では鴨方高校に設置されたので、入学時には必ず情報提供を行い、積極的に連携を図っていくこととしている。

Q,通級指導担当者の増員及び指導力の向上は?

A,県教育委員会に増員を要望。県総合教育センターの研修講座等へ参加している。

 

尚、笠岡市独自での教員増員、広域連携(近隣自治体や中核市などとの連携)による指導体制の構築等、提言しております。子どもたちのニーズにしっかり対応できる通級指導体制の充実を、しっかりと図ってもらいたいと考えます。
 

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