腰痛には様々な種類があり、その原因も人それぞれです。
腰痛を治したい方はまず腰痛が生じるメカニズムを知っておきましょう。
そこで今回は栄養不良によってもたらされる腰痛について、詳しく解説します。

 

<目次>
1. よくある腰痛の症状
2. 腰痛の原因とは?
3. 腰痛が生じるメカニズム
4. 栄養不良による腰痛とその他の腰痛の違い
5. まとめ

よくある腰痛の症状

厚生労働省が行った『平成28年国民性格基礎調査』では、1,000人あたり、男性は約90人、女性は約115人が腰痛の症状があったことが判明しました。
つまり、これは約10人に1人が、普段から腰痛を感じていることになります。
しかし“腰痛”と一言に言っても、何となく腰が重かったり、違和感を感じたりするレベルの人から、腰が痛くて動くことも出来ない人や、ずっと足がしびれている人まで様々な症状があります。

 

腰痛の原因とは?

最近まで腰痛の80%は原因の特定が困難と言われており、『非特異的腰痛』と診断されていました。
しかし、『腰痛診療ガイドライン2019』によれば、画像検査が発達したこともあり、実質的には原因不明の腰痛は22%であったと報告され、レントゲンやMRIの結果から、原因の多くは椎間板にあることが分かってきました。
具体的には椎間板がつぶれていたり、椎間板が大きく膨れたり飛び出したりして、腰回りの各部位が適正な位置からずれてしまうことが、腰痛につながっていることが画像検査などから判明しています。
また、椎間板が適正な位置に存在しないことから、周囲の神経を圧迫することで神経痛を発症しているケースもありました。

腰痛が生じるメカニズム

そもそも腰痛とはどんなメカニズムで生じているか知っていますか?

椎間板に問題が生じた痛みの説明をすると以下のようになっています。

まず最初に椎間板とは、腰椎(背骨)の1つ1つの間に挟まれた背骨を動かした時のクッションの役割を果たす組織で、主に2つの構成物によって形成されています。
それは髄核(ずいかく)と繊維輪(せんいりん)とよばれており、髄核とは、椎間板の中心にあるゼラチン状の組織、繊維輪は、木の年輪のように、髄核を囲むように何重にもなって作られている組織です。
お辞儀をする時など体を前に曲げる時には、椎間板が腰椎に挟まれることで、中心にあった髄核は後ろにずれてしまいます。
椎間板の中心にあった髄核がずれることで、その周囲にある繊維輪を徐々に傷つけていってしまいます。
繊維輪の内側が傷付いている時は、特に神経を傷つけたり圧迫したりすることはないので、違和感があっても痛みを感じることは非常に稀ですが、髄核のズレが大きくなって、繊維輪を外側まで突き破ってしまうと腰痛を感じるのです。
また、繊維輪を突き破った髄核が、その周囲にある神経を圧迫すると、足のしびれや足の動かしにくさにつながります。
これこそが、腰椎椎間板ヘルニアといわれる状態です。

 

栄養不良による腰痛とその他の腰痛の違い

実は、栄養のバランスが乱れていることによって、腰痛を悪化することがあります。
食事から糖質を摂取すると、体内で最終的にはブドウ糖に変化します。
このブドウ糖が必要以上に体の中に存在すると、たんぱく質を結合してAGE(糖化最終生成物)という物質を作り出します。
このAGEは骨や軟骨、筋肉、じん帯などを劣化させます。

つまりAGEが増えると、椎間板の構成物である繊維輪も劣化してもろくなってしまうのです。繊維輪がもろくなると、背骨が動いて椎間板の中心にある髄核がずれた時に、繊維輪を容易に傷つけやすくなります。
そのため過剰な糖質の取り過ぎは、腰痛を引き起こしやすくなるのです。
また腰痛は椎間板ではなく、背骨(腰椎)がもろくなったことが影響していることもあります。
特に閉経をむかえた後の女性は、ホルモンの影響もあり骨が弱りやすく、骨粗しょう症や腰椎圧迫骨折になりやすいです。(男性でも70歳以上になると骨粗しょう症になり易いです。)
そのため、しっかり骨を丈夫にするカルシウム、ビタミンD、マグネシウムが不足しないように摂取して下さい。
もちろん不規則でバランスの悪い食事が続きこれらの栄養素が不足すると、働き盛りの30~40代男性にも同様の危険があるので、十分に注意が必要です。

まとめ

普段の生活で腰を前に曲げる動作や猫背などを長時間続けていると、それだけ髄核がずれてしまって、繊維輪をジワジワと傷つけてしまい、腰痛につながっていきます。
そのように髄核がずれてしまっている人は、髄核を適正な位置に戻す腰痛体操を行うことをお勧めします。
それ以外にも、普段から食べている食事によって腰痛の原因を作っていることもあるので、食事をはじめとした生活習慣を見直して、腰痛の予防に努めて下さい。

 

 

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