大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです
side O
俺が溺れていると勘違いして人工呼吸をしてくれたのは和という名前の子だった。
性に奔放なこの世界に住んでいるのに、どうしてあんな純粋なんだろうって。
そんな子は周りに今まで居なかったから不思議で、とても興味がわいた。
もしかすると純粋なフリをして、俺の気を引こうとしているのかもしれないなんて思ってしまったぐらい、この世界においては珍しい子なんだ。
「和にキスしてもらえるんなら、これからも川で寝っかな」
試しに和の唇を指でなぞりながら言ったら、一気に顔を真っ赤に染めた。
演技でここまでは無理だな。
茹で上がったみたいに真っ赤で。
これは……、楽しそうだ。
初めて見る反応が新鮮で面白くて、知らず笑顔になってしまっていた。
最初はただの暇つぶしみたいな軽い気持ちで言った。
「明日もここで待ってっから」
ただの暇つぶしだから、来ても来なくても別にどちらでも良いなんて思っていたんだけどな。
でも毎日会っているうちに、そんな気持ちは変わっていったんだ。
俺の心は段々と和に奪われていった。
今までの俺からすると考えられねぇんだけど、和とはキスしかしてねぇ。
キスですら2日目にしてから、「次したら絶交」と言われてそれからは全くしてねぇ。
ただ、キスはしてねぇけど、少し意味ありげな視線を向けるだけで恥ずかしそうに瞳が潤んで揺れるのを見るのが毎日楽しみでもあったりする。
出会いの日から俺は毎日決まった時間に天の川で釣りをして、和を待つようになった。
ただ毎日会って、話して、くだらない事で笑いあって。
魚が釣れるのをただ並んで待っていたり、天の川で水切りしたり。
和とは特別な事をしなくても一緒にいるだけで楽しくて。
和の口の悪さも可愛いとすら思えてしまう。
「智くん、最近織姫と仲が良いみたいだね」
仕事のパートナーの翔くんがそう訊いてきた。
「織姫……、ああ、和の事か」
和が織姫だというのは最近知った。
和の父親の天帝が俺に威圧感満載で会いにきたから。
すげー殺意のオーラ出てたよな。
遊びなら近づくなって。
「もうシた?」
「いや、まだ」
そう言ったら目ん玉飛び出しそうなぐらい驚かれた。
確かに、驚くよな。
自分でも驚いてるぐらいだ。
「智くん、本気なんだね」
「そうだな……、やばいぐらい本気だわ」
和の事は抱きたいって会うたびに思ってる。
ただ、自分本位ではなく、和の気持ちを大事にしたい。
そう思えるぐらい、俺は和の事が好きなんだ。
天帝が来た時にも、俺はそう伝えた。
「へぇー、お前……、度胸もあるし、なかなか良い漢だな。
俺に面と向かってそんな命知らずな事を言ったやつ、初めてだわ」
ニヤリと笑って肩をバンバンと叩かれた。
そして何故か気に入られたようで、一晩中酒に付き合わされた。
読んだ後に良いねいただけたら大変励みになります
こちらのお話、28話で終わりますが、
次にアップできるお話が全くありません
子の夏休みっていうのもありますが、
全く書く気分にならないのが一番の問題
なので、こちらのお話が終わったら
またしばらくお休みするかもしれません
毎日更新が目標だったのに、
やっぱり年々妄想力も想像力も創作力も
衰えていくのかもー