大宮妄想小説です

BL要素含みます

パラレルです







side N








頭の中でずっと大野の言葉が繰り返し再生される。






『付き合う相手は、ニノ以外なら誰でも良かったんだ……』






「何でだよ……、何で俺以外は良くて、何で俺はダメなんだよ……」






こんなに好きなのに、俺だけがダメなんて……。

胸が苦しくて痛くて張り裂けそう。


ポチの姿で良かった。


きっと俺の姿だったら酷い顔をしていると思う。


ただ、涙声になるのだけは隠せなかった。


そんな俺の声に気づいて大野が慌てた。







「違っ、ニノッ、違うからっ」







「何が違うんだよっ!

俺の事、そんなに嫌いならさっさと離れたら良かっただろ!

俺が離れようとしたら高校も大学も離してくれなかったのに!

大野は勝手だ!

そんな事されたら、もしかしたらいつかはなんて馬鹿みたいに期待するだろ……」






「ニノ、違うから、聞いてっ」






「何を聞けってんだよっ、もう十分だろっ!

これ以上何を言うんだよ、聞きたくない!

もう嫌だっ、何でっ!

大野なんて、嫌いだっ…………嫌い……、ふっぅ」






ポチの姿だから涙は流れなかったけど、苦しくて喉が詰まって呼吸がままならない。


もうここからとにかく消えてしまいたくて、俺はソファから飛び降りようとしたら大野に抱きかかえられてしまった。






「嫌だ、離せっ」






腕の中で暴れるけど、ポチの身体で暴れたって大野には何の打撃も与えられるはずもなく。






「離せよっ、嫌いならもう俺に構うなっ」







「違うっ、勘違いさせてごめんっ、ニノが好きなんだっ」







「この期に及んでまだそんな事言うんだ。

好きなんて友達としてだろ!

もうそんなの何回も聞いたよ!

無駄に期待させんなよ……」






好きだって、振られた大野の愚痴を聞いた時に今まで何回も言われてる。

友達としての好きなんてもう辛いだけだから欲しくないんだ。

そう思いながら言ったらまた涙声になった。






「違う、友達としてじゃねぇっ!

ニノだけが俺は特別に好きだって、やっと気づいたんだ!」






「そんなの……、嘘だよ……」







「嘘じゃねぇ……。

ニノと恋人になったら、いつか別れがきた時に離れていっちまうだろ?

友達だったら一生傍に居てもらえると思ったんだ。

ニノにはずっと俺の傍に居てほしかったんだ。

だから付き合うのは別れても構わないって思える相手で…ニノ以外なら誰でも良かった」






大野の言葉を頭の中で考えるけど……。

今まで好きだって言い続けたのに、軽くあしらわれてきた。

それなのに、今更そんな事を言われても簡単に信じるなんて無理で。

ただ、離れようとしている俺を引き止めるために言っているんじゃないかって思ったり。







「それって、本当に好きなの?

俺に恋愛感情はないけど、ただ傍に居てほしいから言ってるだけなんじゃないの?」






自分で言ってて辛くなるけど。

これ以上期待して、また裏切られるのは嫌なんだ。






「違うっ!

本当に好きだっ!

好きだから、傍にいて欲しいんだ。

一生傍にいてほしいって思えるのはニノだけだ」







「大野の好きが信じらんないよ……。

だって、大野は俺相手に欲情するの?

恋人にスルみたいな事、俺と出来んの?」






どうせ出来ないだろうって思いながら、そう訊いた。

そしたら大野が…………。








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