大宮妄想小説です

BL要素含みます

パラレルです







side N







俺の居場所が分からないはずなのに、大野は真っ直ぐ高架下に向かっているようだった。



俺の考えは……、大野にはお見通しなんだなって嬉しいような。

こんなに分かり合ってるのに友達以上にはなれないんだと思い知らされて悲しいような。

複雑な気持ちで。



大野よりも先に自分の身体と相葉さんに会いたい俺は、大野がリードを離すように色々画策したけど、「散歩中には絶対にリードを離さないように気をつける事」っていう俺との約束を大野はしっかり守ってた。




しかも思い切り走っても大野も一緒に走って着いてくるし。

大野、体力すげーわ。



だから全然大野から逃げ出す事ができないまま高架下に着いてしまった。


大野が草をかき分ける後ろをついていく。






「居た……っ、ニノッ!」






そこには相葉さんは居なくて、俺の身体はクタッと壁にもたれかかって座っていた。

でももしかすると直前まで相葉さんが居たのかもしれない。

ポチの鼻だからなのか相葉さんの匂いを感じられたんだ。



そして俺の身体は大野が呼んでもピクリとも反応しない。



えっ、俺の身体にポチが入ってるんじゃないの?

もしかして、ポチの身体に俺が追加で入ってるだけで、あの俺の身体の中身は空っぽなの?

でも、今この中にポチの意識は全く感じられないし。



大野が反応しない俺の身体を見て青ざめた。

そして、リードが離れたから。



俺は急いで自分の身体に向かって走ってダイブした。

近づけば俺の身体の中に戻れるんじゃないかって思ったのもあるけど、ポチがどうなっているのかも確かめたくて。




ポチ、ポチッ!

頭の中で呼びかけながら身体を揺する。

そのうち大野も駆け寄ってきて跪くと俺の身体を揺すった。






「ニノ、大丈夫か?ニノッ」






すると俺の身体がピクッと反応し、瞼がゆっくりと開いていった。

っていうか、その様子を俺が見えてるって事は、入れ替わりは戻らなかったという事で。

じゃあ、やっぱり俺の身体の中身はポチなんだろうか。


じっと様子をうかがってたら、大野に気づいた俺(中身はポチ?)がニコッと嬉しそうに笑った。






「ニノ……」






大野がそう言うや否や勢いよく俺の身体が大野に飛びついた。

ああ、この飛びつき方……、やっぱり俺の中身はポチだ。



でもいつもと視界が違うからか不思議そうに首を傾げて大野を見ていたけど。

すぐにどうでも良くなったのか、徐に大野の唇を舐めた。



!!!!!



待って、ポチッ!

確かにいつもしてることだけど、今は俺の身体だからっ!


大野もかなり驚いたのか目を見開いて俺(中身はポチ)を見てる。


あわあわする俺の目の前で、俺(中身はポチ)が再び大野に顔を近づけていく。






「わーっ、もう止めてー!」

「ニノッ!?」

「わんっ♡」







堪らず声を上げて邪魔をするように間に入り込んだ時に、2人と1匹の声が重なった。







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