大宮妄想小説です

BL要素含みます

パラレルです







side N








相葉さんにお願いしても元に戻らず。






「もしかして、相葉さんのところに行かないと無理なのかな……?」







相葉さんがどこにいるのか考える。







「そういえば、ポチになる直前に

『ニノちゃん行ってらっしゃい。こっちは任せておいて』

って言ってたよな」






それならきっと、ポチになってしまった俺の身体の傍にいてくれてるはず。

高架下に戻らないと!



そう思ったけど、ポチの身体では一人で家を出られないし、出られたとしても途中誰かに保護されるのも危険だ。

ポチを危ない目に遭わせたくない。



どうしようかと考えていたら、大野が寝室から出てきた。

大野の顔を見るけど、悲しんでいる感じではなく、何か強く決意したみたいな顔をしていた。



ああ、そっか、悲しんでくれなかったか……。



泣くまでは無理でも、多少ガックリしていて欲しかったな、なんて。

苦い笑いが漏れた。


でも良かったじゃない、これで大野の事キッパリ諦められる。


俺が胸の痛みに苦しんでいると、再び大野のスマホが鳴って。

大野の姉ちゃんの心配そうな声が聞こえてきた。






「ニノくん、新しい家にまだ着いてないって。

スマホも繋がらないのよ。

ニノくん、変なこと考えてないと良いんだけど」







新しい家に着くはずない。

だって、俺の中身は今ポチなんだもん。

変な事なんて考えてないから安心してよ。





電話を切ると大野は急いで玄関を出ようとした。

大野がどこに行こうとしているか分からないけど、外に出るチャンスだと思った俺は大野のズボンの裾を齧って引っ張った。







「ポチ?離して」






そう言われたけど、ブンブンと齧ったまま首を振った。

だって、外に出たいんだ。

俺は絶対に離す気はなかった。


それでも一人で出ようとする大野の脚に前脚を絡めた。


絶対に離さない。


そしたら、大野は諦めたみたいで。






「ポチも一緒に行くか?」






そう訊いてくれたから、俺は素早くポチのリードを咥えて大野に持っていった。







「ポチ、いつの間にこんな賢くなったんだ?

ニノ、きちんと躾してくれてたんだな……」






いや、流石にここまで躾してないわ、ごめんね。

そう心の中で謝っていたら。






「ニノ、絶対見つけるから……」






そう強い口調で大野が言った。


驚いて大野の顔を見た。


俺を探しに行ってくれるんだ。


嬉しくなったけど。


あ、でも本当は探す気無かったけど、大野の姉ちゃんが『ニノくん、変なこと考えてないと良いんだけど』って言ったから、それを真に受けただけかも。


それでも探してもらえる事は嬉しい。

俺はそう思いながら、大野と一緒に家を出た。








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