大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです
side N
痛みに震える俺を大野が抱き上げた。
「えっ、叩いたんか?」
そう言った大野に、彼女は少しムッとした顔をした。
そしてとても酷い言葉を放った。
「だって、この犬が唸ってくるから!
智くん、こんな可愛くない犬は捨てて、チワワとかトイプードルとかフレンチブルドッグとか血統書つきの可愛い犬を飼った方が良いよ!
それにこんな犬、散歩に連れて歩くの恥ずかしいもんっ」
犬をファッションの一部として考えているんだろう。
同じ命なのに軽んじる言葉に腹が立つ。
怒りでまた唸り声を上げそうになったけど、大野から聞いた事のないような低い声が出たから、驚いて黙ってしまった。
「捨てるって……、そしたらポチがどうなるか分かって言ってる?」
声だけじゃなく、身体からも怒りのオーラを感じるぐらいで。
普段怒らないやつが怒ると凄い怖いって聞いたことあるけど、まさにそれだった。
さすがに彼女もマズイ事を言って大野を怒らせた事に気づいたみたいで、慌てて優しげな可愛らしい笑みを浮かべながら訂正したけど。
大野は騙されなかった。
「ねぇ、もう俺と別れてくれる?
合鍵も返して、もう帰って」
「ちょっと待って、智くんっ!
私、智くんが好き、別れたくない」
「いや、俺がもう無理だわ。
どんな命でも大切に出来ない人とは付き合えない」
そう言われた彼女は泣くではなく怒って合鍵を大野に投げつけて出ていった。
「俺は本当ダメだな……」
苦しげに呟く大野。
今までの彼女よりも長く付き合って、楽しい時間を過ごしていただろうし、きっと深く傷ついているんだろうな。
そう思うとフラれた事を喜ぶ気持ちにはなれなかった。
ただ、いつもみたいに話を聞いてあげたい、辛いのを一緒に受け止めてあげたい……、そう思ってしまって、自ら離れてしまった事を早くも後悔しそうになったけど。
でも、離れるって自分で決めた事だから。
だから、心配だけどもう俺が出来る事は何もないんだって自分に言い聞かせた。
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昨日のデジにのの
呼び捨てと「寝ろー」のおかげで
すっかり興奮しちゃって
今日は寝不足気味の私です