大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです
side O
姉ちゃんと電話を終えてからも、ニノの事を考えるといてもたってもいられなくて。
ベッドから立ち上がり寝室を出た。
ただ黙って家に居るなんて出来なくて、ニノを探しに行こうと思ったんだ。
でもまた姉ちゃんから電話が来て。
「ニノくん、新しい家にまだ着いてないって。
スマホも繋がらないのよ」
そう慌てたように言う。
「ニノくん、変なこと考えてないと良いんだけど」
なんて不安そうに不吉な事を言う姉ちゃん。
でも、ニノはそんな事はしないって俺は良く知ってる。
命を大切にするやつなんだから。
まだ新しい家に着いていないなら、もしかしてあそこかもしれない。
ニノが居るかもって思い当たる場所が浮かんだんだ。
電話を切って、俺は急いでニノを探しに玄関を出ようとした。
そんな俺のズボンの裾をポチが齧って引っ張る。
「ポチ?離して」
でもポチはブンブンと齧ったまま首を振る。
嫌だって言ってるみたい。
本当は一人で急いで出発したかったけど、ポチは全然離してくれなくて。
そのうち前脚を俺の脚に絡めてきた。
ここで時間を食うわけにいかない。
「ポチも一緒に行くか?」
そう訊いたら素早く自分のリードを咥えて持ってきた。
「ポチ、いつの間にこんな賢くなったんだ?
ニノ、きちんと躾してくれてたんだな……」
こんなところにもニノの存在を感じて切なくなる。
多分これからも色んな場面でニノの存在を感じるんだろうな。
だって、俺、本当、ニノにたくさん支えられていた。
「ニノ、絶対見つけっから……」
見つけたら、今までの事を謝って、好きだって伝えよう。
今更って怒られるかもしれないけど、ニノが許してくれるまで何年でも好きって伝え続けよう。
そう思いながらポチと家を出た。