大宮妄想小説です

BL要素含みます

パラレルです







side N








「和、はよ」






「えっ、先輩……、どうして?」








朝学校に行こうと家を出たら、家の前に先輩がいた。






「和、誕生日おめでとう。

今日は和を甘やかしたくて」






そう笑った顔がとても眩しかった。

先輩の家の方が学校に近いのに、わざわざ自転車で迎えに来てくれたんだ。







「ほら、乗って。

遅刻するぞ」







普段遅刻なんて全く気にしない先輩がそんな事を言うから。

思わずふふって笑ってしまった。







「どうした?」







「何でもないよ」








首を傾げる先輩に微笑んで、自転車の後ろに乗った。







「行くぞ」







「よろしくお願いします」







ぎゅっと先輩の身体に抱きついた。

怖い訳ではないんだ。

先輩がこぐ自転車は凄く安定感があるし、絶対によろけたりしないし。

ただ、俺がくっつきたいだけ。


鼻歌を歌ったら、先輩もハモってくれるし。

流れていく景色も、先輩と一緒っていうだけでキラキラ輝いて見えるし。


何て幸せなんだろう。



自転車は2人乗りで学校まで行ったらさすがに怒られそうだから、先輩の家まで乗って、それからは先輩と歩いて登校。






「先輩、今日はありがとう」






教室に入る前にそう言ったら、先輩がニヤッと笑った。






「まだ誕生日は終わってねぇよ」






「えっ?」







「じゃあ、また、昼な」







そう言って先輩は自分の教室に向かっていった。







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