大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです
side N
智くんが作ってくれたスープが冷めちゃうから、とりあえず先に朝ごはんを食べてから、ガレット・デ・ロワを食べることにした。
智くんにはガレット・デ・ロワの母さんとの思い出は、もう少し後に話そう。
だって結婚した時なんて、何だか照れくさいし、まだちょっと重たいでしょ。
そう思いながら、ガレット・デ・ロワを切り分けた。
昔から俺の分だって分かるように、フェーブの入ったところは少し模様が違っていて。
そんなところも懐かしい。
今回はいつもの俺用の模様の他に更に違う模様が描かれているところがあったから、きっとここが智くん用なんだなって思った。
「フェーブが入っていたら、新しい年も幸せになれるし、今日は王様にもなれるよ」
紙の王冠を2つ組み立てて作る。
それからガレット・デ・ロワを皿に取り分けて智くんに渡したら、智くんは受け取りながら悪戯っぽく笑った。
「俺が王様になったら、和は何をしてくれるんですか?」
訊かれて少し慌てた。
だって、確実に智くんが王様になるし、何なら俺も王様になるんだ。
でも、それを知ってるのは俺だけなんだもん。
絶対王様になれるよって教えてあげても良かったけど、フェーブが当たるかもっていうワクワク感も智くんに味わってもらいたくて、教えるのはやめたんだ。
だから、あんまり大それた事は約束できなくて。
だって確実にやるって分かってるのに、激しい事言ってさ、それが後からバレたらすげー恥ずかしいじゃん。
俺から激しい事してあげるなんてそもそも無理だし。
「うーん、どうしよっかなぁ。
キスする……とか?」
「キス……、どうせならもっと激しい事でも良いんですけどね。
でも、楽しみですね」
そう言って智くんは艶やかな流し目で俺を射抜く。
急にそんな男の色気たっぷりな視線を俺に向けないで欲しい。
心臓がまた激しく鳴ってるじゃない……。
ドキドキしながら俺も智くんに訊いた。
「智くんは、俺が王様になったら何してくれるの?」
「うーん、そうですね……」
少し考えてから智くんは言った。
「和が王様になったら、お風呂で綺麗に隅々まで洗ってあげます」
「えっ!?大丈夫よっ、一人で入れるからっ」
「そんなに慌ててどうしたんですか?
和が王様になったらですよね」
いや、王様になっちゃう予定なのよ。
やっぱり2人とも王様になっちゃうの言っちゃう?
でもそんな事言ったら楽しみが減ってガッカリさせちゃう?
「ワクワクしますね」
楽しそうにそう言っている智くんをチラッと見る。
自分が恥ずかしいからって、智くんのワクワク感を奪っちゃうの?
それは何か……嫌だなぁ。
どうしたら良い?
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うーん、どうしたら良いかなぁ