大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです
side O
目が覚めたら、俺はソファで和さんを抱き締めて寝ていた。
キスして、抱き締め合ったまま寝てしまったらしい……というか、多分、和さんより先に俺が寝てしまったんだと思う。
寝不足と栄養不足は自分で思うよりも身体を弱らせていたみたいだ。
だから、和さんを抱き締めたら急に意識を失うように寝てしまった。
「最悪だ……」
あんな良い雰囲気で寝るなんて、不甲斐ない。
起こしたら、まだ間に合うか?
でも……。
俺にピッタリくっついて腕の中で眠っている和さんを見る。
安心しきった顔で眠っていて、全く目覚める気配はなかった。
「可愛いな……」
こんな穏やかで可愛い寝顔を見てしまったら、起こして襲うなんて出来なくて。
和さんを身体にのせたままソファからゆっくり起き上がり、抱き上げると寝室のベッドまで運んで和さんを横たわらせた。
そのまま寝かせて俺はリビングに戻ろうと思ったんだけど、離れようとしたら和さんが俺の服を握りしめたまま擦り寄って来たから、離れ難くてそのまま一緒にベッドに横になった。
柔らかい髪の毛を梳くと、和さんは眠りながらふわっと微笑んで俺の名前を呼んだ。
「智くん……」
その顔を見て、改めて俺も幸せを感じて、ぎゅっと和さんを腕の中に閉じ込めた。
その後も和さんは全く起きる気配もなく、俺も和さんの寝顔を見ているうちにまた眠ってしまって、2人でそのまま朝を迎えた。
和さんはいきなり外泊したけど翔くんがうまく和さんのお父さんに言ってくれていたようで、心配かけずにすんだ。
和さんは「高校を卒業するまでは」っていう約束を俺が守って襲わなかったと思っているみたいだけど、もし和さんが途中で目覚めていたら、俺は絶対に襲っていたと思う。
そして次の日に俺は父母に、高校を卒業したら専門学校に通いながら、和さんのお店で見習いをしたいときちんと話にいった。
その時に、和さんとの関係もしっかり話した。
2人とも驚いたみたいだったけど、喜んでくれた。
母には「智、幸せそうな顔してる。そんな顔、久しぶりに見られて母さん嬉しい」って泣かれてしまって驚いた。
俺は仕事を手伝って自立した大人になった気分でいたけれど、その事で反対に親にはかなり心配をかけていたんだって初めて知ることができたんだ。
それから父母と一緒に、和さんと和さんのお父さんのところに挨拶に行った。
「智をよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
そして、親同士もパンが大好きということもあり、意気投合してすっかり仲良くなっていたんだ。
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明日最終話です