大宮妄想小説です

BL要素含みます

パラレルです








side O







その日はあまり雪が降らなかったから、雪かきも早く終わるだろうと見込んで、俺は準備していたものを持って二宮さんの店に除雪に向かった。



雪かきの合間に二宮さんに見つからないようにこっそり作って、店の入り口横の木製の椅子の上にあるOpen、Closedの看板の前に並べた。



仲良く並んだ二羽の雪うさぎ。


ここの店の名前が『琥珀の月うさぎ』だから、いつか作ってみようと思っていて、耳になりそうな葉っぱと目に使う赤い実を準備していたんだ。



二羽は二宮さんと俺。

仲良く並んでいるのは、完全に俺の願望が出てしまっている。



それを二宮さんが知ったら、どんな顔をするだろうか?






「えっ、これ何?可愛いっ」






雪かきを終えて店に入ろうとした二宮さんが雪うさぎに気づいた。






「智くんが作ったの?」






少し首を傾げて上目遣いで俺を見つめて訊いてくる。

同じくらいの身長なのに、何故か上目遣いみたいになる二宮さんのこの仕草が俺は堪らなく大好きで。



俺は頷いて、一羽を二宮さんの手にのせ、もう一羽を自分で手の中に優しく包むように持った。






「二羽なんて可愛いね、親子かな?」






手の中の一羽に顔を近づけてじっくり見つめている二宮さん。

実はその手の中に居るのは俺の雪うさぎで。

あんな間近で二宮さんに見つめられるなんて、羨ましい。





「こっちが二宮さんで、そっちが俺です」





二宮さんの反応を伺いながら言った。

すると、二宮さんは、俺が包むように持っている雪うさぎをじっと見つめてソワソワしだした。





「こっちが智くんでそっちが俺なんだ、ふふっ、俺の方が可愛く出来てるねー」





少しふざけるように言った二宮さん。

こういう時は、照れてるんだって知ってる。

嫌がられなかった事にホッとしながら、思っていた事を真面目に答えた。





「本当、二宮さんの方が可愛く作る事が出来たんです。

やっぱり二宮さんが真っ白で瞳もきゅるんとしていて可愛いから、雪うさぎも似てきちゃうんですね」





二宮さんの事を思い浮かべながら作った雪うさぎは、本当に二宮さんにそっくりで可愛いって思っていたから。





「もうっ、何言ってんのよ……」






俯いた二宮さんの表情は見えなかったけど、でも耳は真っ赤で。


椅子の上に俺うさぎを戻したから、俺はその隣にピッタリとくっつけて二宮さんうさぎを置いた。


寄り添った二羽の雪うさぎはやっぱりとても幸せそうに俺には見えたんだけど。

でもそれを見ても二宮さんは何も言わずにそのまま無言で店に入っていってしまった。


流石に嫌がられたかな……。

俺はいつまでも恋愛対象にはなれないのか……。

はぁっとため息が漏れた。





「二宮さん、好きです」





俺はそっと囁くように言うと、二宮さんうさぎにキスするように俺うさぎを置きなおした。





「お前たちが羨ましいよ……」






一方的に好きでいるって宣言したけれど、どうしても無意識に見返りを求めてしまっているんだろうな。

だから困惑されると切なくて苦しくなる。



でも好きな気持ちは変わらないし、むしろ増えているんだから簡単に諦められるとは思えない。

少しくじけそうになる心を奮い立たせながら、店の中に入った。








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智くんサイドからの雪うさぎうさぎ

和くんサイドのドキドキとは違って、ちょっと切ない気持ちが強いですねえーん