大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです
side O
「二宮さん、俺、大学に行くのやめました」
「えっ!」
二宮さんはかなり驚いたのか、大きな声を上げた。
「智くん、大学行かないって、どうして?」
「俺、将来はパン職人になりたいんです」
パン職人になりたくて、二宮さんが通っていた専門学校を受けたんだ。
二宮さんは父母が了承したか心配していたけど、父母にもしっかり話して了承を得ていたし、やりたい事が見つかって良かったと2人とも喜んでくれていた。
ただ、ここからはまだ父母にも誰にも言っていない事だった。
真っ先に二宮さんに言いたかったから。
「それで、パン職人になって、いつかは……」
言葉を区切って二宮さんを見つめる。
再度の告白に気負い過ぎて思わず二宮さんの手を強く握ってしまう。
「ここの店主になりたいんです」
「ここの店主って!
うちの父さんのお店?
いやいやいや、ここは俺が継ぐから流石に智くんでもダメよ」
言葉どおりの意味に受け取った二宮さんは、慌てて首を振ってダメだと言った。
遠回しに好きだと言ったつもりだったのに、今回は伝わらなかった。
二宮さんは鋭いから、言葉の裏の好きに気づいてくれるんじゃないかと思ったのに。
――ああ、そうだった、二宮さんは自分に向けられる好意には全く気づかないんだった。
「あー、でも、うちは継げないけど、専門学校に通いながら、うちで見習いしてみるとかはどう?」
一生懸命代替案を出してくれる二宮さんだったけど、やっぱり見当違いで。
でも、「ふざけんな、もう店に来るな」と言われなくて少しホッとした。
二宮さんが自分への好意に疎い事を知っていたはずなのに、遠回しな言い方をしてしまうなんて、これは完全に冷静に判断できなかった俺の失敗だ。
結果的に2回も告白が不発に終わるなんて……、自分が不甲斐なくて思わずため息が出た。
「二宮さんには、やっぱりストレートに言わないとダメか……」
「ストレートって何よ、思い切りストレートに店主になりたいって言ったじゃん」
まだ分かっていない二宮さんは訝しげに首を傾げた。
「俺は、二宮さんと一緒にお店を継ぎたい。
二宮さんが好きなんです」
一瞬の沈黙。
それから二宮さんは笑った。
「またまたー、揶揄ったらダメだよ」
「揶揄ってません、俺、二宮さんが好きなんです」
今しっかり伝えないと冗談のままになってしまう。
そしたら、次にいつ言えるか分からないし、その時には更に俺の気持ちを信じてもらえなくなるだろう。
それは絶対に嫌で、だから本気だと伝えるために二宮さんの手をグッと引いて胸の中に閉じ込め、逃がさないようにぎゅっと抱き締めた。
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今日は朝から嬉しいお知らせがありましたね
あの連名にはとても力がありますねー
一気にパワーが漲りましたー
ずっと嵐さんについていきます