大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです
side O
それからも毎日パンを買いに通った。
店に入ると二宮さんはいつも笑ってくれるし、話しかけてくれる。
パンの味も、段々と美味しくなっている気がするし。
毎日工夫して研究もしているんだろうなって、食べながら感動するし尊敬もする。
段々恋心は増すばかりで、自分では隠していたつもりだったけど、二宮さんに伝わってしまったのかもしれない。
最近は、二宮さんの視線を感じて見たらパッと顔を逸らされたり、前までは目を合わせて会話してくれていたのに少し伏目がちだったり、ボディタッチも減って何だかよそよそしいと感じる事が増えた。
「二宮さん、俺、迷惑ですか?」
俺のこと、気持ち悪いと思っているのかも。
嫌われてしまったのかもしれない。
「えっ?」
「最近、何か……」
俺が二宮さんの事好きだって気づいてしまいましたか?なんて訊けるはずもなくて、言葉に詰まる。
「やっ、全然迷惑じゃないよ!
あ、あれよ、最近ちょっと開店前の雪かきで疲れてるだけ、朝5時から1時間近くやってるからさ」
「そうなんですね……」
雪かきで疲れてるなんて嘘だと思った。
だって、俺以外に接している時は、前と変わらない二宮さんなんだ。
でも迷惑ではないという言葉にも嘘は無さそうだった。
「まさかだよな」
もしかして俺を意識してくれているんだろうかと、自分に都合の良い考えが浮かんだけれど。
今のままでは確認する術もなくて。
誰にも邪魔されずに、二宮さんと2人だけで話せる時間が欲しいと思った俺は、翌日朝5時に除雪を手伝いに行く事を決めたんだ。
本当に除雪で疲れているなら、その疲れをとってあげたいし、何より2人だけで話すことも出来る。
翌朝。
まだ除雪されていない道を考えながら歩いていた。
自分で二宮さんの気持ちを確認すると決めたはずなのに、二宮さんの反応が怖くて、迷いが生じて。
迷惑そうな顔をされたらどうしようか……。
そう思うと歩みを止めてしまう。
引き返したくなったけれど。
でも、いつまでも臆病者のまま有耶無耶にしていたら絶対に後悔する。
「迷惑そうな顔をされたら、帰ろう。
そして、きっぱり諦めよう」
そう決めて俺は再び歩き出したんだ。
読んだ後に良いねいただけたら大変励みになります