お先にこちらから☆彡
大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです
《side N》
大野さんはお父さんには内緒で会社で働くために、櫻井さんに相談する事に決めたようだ。
働くって決めてからの大野さんは、何だか少しスッキリしたような顔をしていた。
まあ、髭もじゃでスッキリって変だけど、何となく雰囲気ね。
今日の夕食はハンバーグ。
櫻井さんも来るから、俺が一番大好きで一番得意な料理にしたんだ。
櫻井さんは定時で上がったらしく結構早い時間に来た。
相変わらずインターフォンが鳴ったと思ったら、返事をする前に既に櫻井さんは玄関で靴を脱いでいて。
会社の人とこんな気の置けない関係が築けているのは何だか羨ましいなぁと思ったりした。
みんなで食卓につく。
俺も一緒な事に櫻井さんは少し驚いた感じで大野さんをチラッと見たけど。
やっぱり家政夫さんって一緒にご飯食べないもんだからかなぁ?
でもすぐにいただきますと言って口いっぱいにハンバーグを頬張った。
「んめー。二宮くん、料理上手いね。さすがフルコース作れるだけのことはあるわ」
ドキッとして思わず大野さんを見てしまった。
すると大野さんがサラリと受け流し、話題を変えてくれた。
凄いな、大野さん。
やっぱり人生経験俺より長いから動じないのかな。
何て感動して心の中で拍手したぐらい。
しかも、お父さんの会社でこっそりと働きたいって本題を話したもんだから、櫻井さんの頭からはフルコースの事はすっかり飛んでしまったみたいで、余計に助かった。
「まじで?!智くん、働く気になったの?!
いやもう大歓迎だよ!任せといてよ!
二宮くん、ありがとう!!やっと智くんがナマケモノから人間になれるよ!!」
櫻井さんは立ち上がって俺をハグした。
しかも背中をバンバン叩かれて、や、ちょっと強すぎるんですけど。
腕から逃れたくてちょっともがいていたら、スッと大野さんが間に入って助けてくれて。
「翔くん、そんなバンバン叩いたら二宮くんが折れちゃう」
「あっ、ごめん、嬉しくてつい」
「いえっ、大丈夫です」
なんて言っていたら、櫻井さんはハッと思い立ったように完食した皿を片付け始めた。
「智くん、俺、一回会社に戻るわ」
「えっ、ゆっくりしていけば良いのに」
「智くんの気が変わらないうちに仕事決めてくる」
そう言うなり風のように家から出て行った。
その勢いに驚いて、大野さんと2人呆然とその場で見送った。
チラッと大野さんを見たら、大野さんも俺を見て目が合う。
そして同じタイミングで吹き出した。
「大野さん、信用ないですね」
「俺、信用されてねぇな」
そして同じ事を同時に言って更に笑ってしまう。
「どんな仕事になるんでしょうね?」
「うーん、こんな風貌だし、警備とか?」
「いやいやいや、警備なんて、反対に大野さんが捕まっちゃいますって」
想像してしまって口元に手を当てて笑ってしまう。
いや、でも雇い主に失礼過ぎたって慌てて謝る。
「あのっ、調子に乗り過ぎました、すみませんっ」
「いや、何か嬉しい。
二宮くんも、翔くんみたいに俺に接してよ」
そんな風に言ってもらえて、大野さんと櫻井さんの気の置けない関係の2人が羨ましいなぁって思っていたから、凄く嬉しかったんだ。
次は、はなちゃんち